本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

住友不動産 (8830)
ヤマトホールディングス (9064)
サントリー食品インターナショナル (2587)
ジェイ エフ イー ホールディングス (5411)
ラクス (3923)

住友不動産、営業利益実績は市場予想を下回る 通期見通しは据え置き

 4-6月期の営業利益は、市場予想を下回りました。主力のオフィスビル賃貸事業や中古住宅の仲介は好調でしたが、分譲マンションを中心とする不動産販売事業は、戸数減少により前年同期比で減収減益となりました。営業利益ベースの進捗は順調として、2022年3月期通期に関しては期初に示した見通しを据え置きました。

ヤマトHD、営業利益実績は市場予想を下回る 営業費用が増加

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を下回りました。EC領域への対応による荷物の取扱数量の増加や顧客の物流最適化などにより増収となりましたが、取扱数量の増加に伴う輸送費用の増加や、燃料単価の上昇などで営業費用も増加しました。なお、「収益認識に関する会計基準」等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しています。通期見通しに関しては、投資事業組合運用益として営業外収益が約30億円計上されたことなどを踏まえ、経常利益と当期純利益が上方修正されています。

サントリー食品、市場予想を上回る大幅増益 コスト削減などが寄与

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想を大きく上回りました。セグメント利益は日本、アジアパシフィック、欧州、米州の全地域が前年同期比で増益を確保しました。小容量サイズの伸長により商品構成が改善したことに加えて、コスト削減活動や販促広告費の効率化への取組みがプラスに寄与しました。通期見通しに関しては従来予想が据え置かれました。

JFE、事業利益が大幅増 通期見通しを上方修正

(注)「事業利益」は税引前利益から金融損益および金額に重要性のある一過性の項目を除いた利益です。

 4-6月期の事業利益実績は、前年同期から黒字転換して883億円となりました。鉄鋼事業においては、外需にけん引される形で製造業向けが堅調に推移しました。会社は、原料コスト上昇分の鋼材価格への反映や、市況上昇に伴う販売価格の改善を見込み、通期見通しを大幅に上方修正しました。また、未定としていた2022年3月期の中間配当を 60 円とする方針を決議しました。期末配当については、業績動向を見極めつつ検討するとしました。

ラクス、2022年3月期上期営業利益を53%上方修正 楽楽明細の新規受注が好調

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。主力のクラウド事業では、楽楽精算と楽楽明細の新規受注が好調に推移し、その他のサービスの新規受注も堅調に推移しました。その結果、顧客数は前期比で大幅に増加し、クラウド事業の売上高は前年同期比+38%となりました。一方で利益面では、新中期経営目標を達成するため積極的な成長投資を強化していることから、クラウド事業のセグメント利益は前年同期比-48%となりました。IT人材事業はエンジニアの稼働率が回復し増収増益となりました。会社はこの結果を踏まえて4-9月期の業績見通しを上方修正しました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。野村カバレッジ銘柄でもQUICKコンセンサスのない銘柄は除外している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年8月12日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(8/11)の決算速報:<野村の決算速報>SMC、ゆうちょ銀行、東急、カネカ、森永製菓(8/11)

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