主要アセット週間騰落ランキング 【2021年9月10日~9月16日】
前週の世界株式市場は、景気回復の後ずれ懸念が、引き続き重石となったものの、市場予想を上回る経済指標の発表もあり底堅い展開となりました。一方、中国恒大集団の債務問題を受け、香港株や中国株は大きく下落しました。日本株は週前半、新政権への政策期待を手掛かりに上昇し、日経平均株価は31年ぶりの高値をつけました。
業種別に見ると、グローバル、日本ともに、エネルギーが最も上昇しました。一方、グローバルでは公益事業や素材、日本では不動産や情報通信サービスが軟調に推移しました。
(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年9月16日(メキシコは9月15日)。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
(大坂 隼矢)
日本:日経平均、TOPIXともに31年ぶりの高値
前週の振り返り
新政権による政策期待を手掛かりに、日経平均株価、TOPIXはともに31年ぶりの高値をつけました。高値更新後はやや上値の重い展開となりました。
今週の展望
日本では、24日に9月のマークイットPMI速報値が発表されます。半導体不足などの供給制約が続く中、企業の景況感にどのような変化があるか注目されます。また、9月末から本格化する小売企業の業績動向を探る上で、8月全国・東京地区百貨店、全国スーパー売上高などにも注目です。
米国では、21-22日にFOMCが開催されます。今回更新されるFOMCメンバーの政策金利予想や、経済見通しなどが市場から注目を集めそうです。
(澤田 麻希)
米国:FOMCでは政策金利見通しに注目
前週の振り返り
引き続きデルタ株の影響が嫌気され一進一退となりました。
今週の展望
住宅関連の経済指標が複数発表されます。
FOMCでは政策変更はない見込みですが、経済見通しに要注目です。6月FOMCでは2023年に政策金利の引き上げが示唆されましたが、今回から示される2024年の見通しが注目されます。
今週は、ソフトウェアではアドビ、アクセンチュアが決算発表を予定しています。また、フェデックス、コストコ・ホールセール、ダーデン・レストランツなど、個人消費関連企業の決算が複数予定されています。実績に加え、業績見通しなどを通じ、米国の個人消費の動向を把握していきたいと考えます。
(村山 誠)
新興国:トルコ中央銀行のインフレ指標が変更されるか注目
前週の振り返り
米国で早期の量的緩和縮小懸念が和らぐ一方、デルタ株感染拡大による景気先行き懸念からリスク回避傾向が強まり、新興国通貨は上値を重くしました。
今週の展望
21日にインドネシア、22日にブラジル、23日にトルコと南アフリカで金融政策会合が開催されます。ブラジルでは前回に続く大幅利上げへの期待が高まっています。
トルコでは、カブジュオール中銀総裁がインフレ指標としてコア指数を重視する考えを示しました。コア指数は従来のインフレ指標である総合指数はもとより、政策金利よりも低い水準にあるため、市場ではトルコ中銀が利上げを回避し利下げへの道を開くとの警戒感が強まっています。
(野手 朋香)