
米国市場(10/19)の相場動向
19日の米国株式市場でNY ダウは上昇し、前日比 198.70 ドル(+0.56%)高の35,457.31ドルとなりました。S&P500指数は同+0.73%、ナスダック総合指数は同+0.71%と主要3指数は揃って上昇しました。2021年7-9月期の決算発表が本格化しており、好決算が相次いだことなどが追い風となりました。
寄り前に発表されたドーバー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&G、トラベラーズ、シンクロニー・フィナンシャルなど主要銘柄の決算は、多くがサプライチェーン制約の問題を乗り越え、市場予想以上の利益を上げる結果となりました。株式市場では、おおむね素直に好感され、主要三指数は揃って上昇して寄り付きました。寄り付き後は、公益やヘルスケア、情報技術、コミュニケーション・サービスなどのセクターが牽引しました。午後には、ボウマンFRB理事がインフレが予想より長期化する可能性に言及したことや、ウォーラーFRB理事が11月のテーパリング開始を支持する発言を行い、10年国債利回りが一段上昇する動きとなった中で、主要指数は一時伸び悩む動きとなりました。しかし、引け間際に再度上昇し、揃って本日の高値近辺で取引を終えました。
本日の相場動向
昨日は、期待インフレ率が高止まる中でも米国株は上昇となりました。9月にはインフレ期待の上昇と共に米国株が調整し、スタグフレーションへの警戒も一部で意識されましたが、足元では警戒感が緩んでいます。
日本株も10月初旬以降、上昇傾向が続いています。本日ですが、日経平均先物CME終値は29,390円と、日経平均株価の前営業日終値(29,215円)を上回る水準になっています。
本日、日本では貿易統計の発表が注目されます。9月分では、自動車業界の減産による輸出低迷に加え、原油価格上昇が輸入金額を押し上げ、貿易赤字が一段と拡大する可能性があります。ドル円相場が貿易統計に反応することは稀ですが、円安ドル高が加速する中、その一因として原油価格上昇とそれにともなう円需給悪化への注目は高まっており、市場予想を大きく上回る赤字幅となれば、円安の勢いが増す可能性があります。
その他、欧州では9月分の英国CPI(消費者物価指数)が公表されます。エネルギー価格の高騰などでインフレ加速への懸念が強まっており、CPIの加速が確認されれば、BoE(英中央銀行)の早期の利上げ実施に向けての機運が高まる可能性があります。
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