主要アセット週間騰落ランキング【2021年11月12日~11月18日】

 前週の世界株式市場は、主要企業の7-9月期決算発表が一巡し、材料面で手掛かり難となる中、米国の好調な経済指標とインフレへの警戒感が交錯し、全体的には一進一退となりました。日経平均は一時3万円目前まで値を戻しましたが、戻り売りに押されました。

 業種別に見ると、グローバルでは、一般消費財、情報技術が堅調に推移した一方、素材、金融などは軟調でした。日本では、主力セクターの電機・精密、自動車・輸送機が堅調でしたが、エネルギー資源、鉄鋼・非鉄、運輸・物流、不動産、小売など、多くの業種で下げが目立ちました。  

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年11月18日。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:日経平均3万円台回復なるか、日本の消費統計に注目

前週の振り返り

 日経平均株価は、決算発表が一巡し、新たな材料に欠ける中、2万9,000円台半ばで一進一退の展開となりました。

今週の展望

 日本では、10月コンビニ売上高(22日)、10月全国百貨店売上高(25日)など、消費関連の統計が発表されます。緊急事態宣言が全面解除され、経済の正常化が進む中、消費動向に変化が見られるか、注目されます。  

 また、米国では10月個人消費支出・所得統計(24日)が発表されます。注目されるのは、前月約31年ぶりの高い伸び率となったコア個人消費デフレーター指数です。FRBによる利上げの前倒しが警戒される中、物価動向が市場の焦点となりそうです。

(澤田 麻希)

米国:年末商戦本格化へ

前週の振り返り

 週前半に上昇した長期金利はその後落ち着き、市場予想を上回る10月小売売上、小売や情報技術企業の好決算などが株式市場を押し上げました。

今週の展望

 24日にFRBがインフレ指標として重視するコア個人消費デフレーターが発表されます。10月消費者物価は高い伸びを示しており、インフレの状況が注目されます。

 米国の年末商戦は近年にも増して前倒しとなっている模様で、感謝祭(25日)週末の売上状況などを通し、米国の消費動向を確認したいと考えます。

 今週も小売やソフトウェア企業などの決算発表が続きます。堅調な内容が続けば、株式市場を押し上げると予想されます。

(村山 誠)

新興国:トルコリラは史上最安値更新、ロシアの鉱工業生産に注目

前週の振り返り

 18日、トルコ中央銀行は16.00%から15.00%への政策金利の引き下げと、12月に利下げ終了を検討するとの声明文を発表しました。しかし、中銀に対する政治的圧力による追加利下げの可能性は払しょくされず、トルコリラは対円、対ドル共に史上最安値を更新しました。

今週の展望

 ロシアで24日に10月鉱工業生産が発表されます。市場予想は前年同月比+5.8%と前月の同+6.8%から低下する見込みです。新型コロナウィルスの感染再拡大やサプライチェーン混乱が要因と見られます。小幅減速に留まれば、ルーブルはインフレ加速に伴う利上げ期待に下支えされるでしょう。

(岩崎 晴弥)

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