海外市場(11/26)の相場動向

 26日の米国株式市場では感謝祭の翌日で短縮取引となる中、NYダウは前日比-905.04ドル(-2.52%)の34,899.34ドルと下落しました。S&P500指数は前日比-2.27%、ナスダック総合指数は同-2.23%となりました。南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認され、グローバルに経済成長を再び妨げるとの懸念が広がる中で、アジアや欧州株式市場が大幅下落となったことなどが米国株式市場の重石になりました。

 セクター別では、全11セクターがマイナスとなりましたが、特にエネルギー、金融の下落幅が大きくなりました。一方で、ヘルスケアの下落幅は限定的となりました。

本日の相場動向・注目点

 26日の日経平均株価は、10月末以来の29,000円台割れとなりました。南アフリカで確認された新たな変異型に対してワクチンの効果が弱いのではないかという不安や、世界的な感染拡大への警戒が日本株の重石になったと考えられます。今後、必ずしもこの変異型が世界的に感染拡大するとは限りませんが、現時点では、変異型の感染拡大について予測することは困難であり、野村證券の春井ストラテジストは「南アの局地的な影響に留まるのかどうかを見極める必要がある」としています(参考:国際金融為替フラッシュ – 南ア新型コロナ変異株で分かっていること 11月26日発行)。
 なお、日経平均先物大証夜間終値は27,850円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,751円)を大幅に下回る水準です。また、野村證券の池田チーフ・エクイティ・ストラテジストは「今回のショックに対する日本株の耐性は比較的高いとみる」としています(参考:「オミクロン型」変異種と目先の注目点 11月29日発行)。他方、テクニカル面では、この先の下値メドとして、8月安値形成後の上昇トレンドライン(27,700円処)が挙げられます。同水準を割り込んだ場合は、さらなる下値メドとして10月6日安値(ザラバベース:27,293円)や8月20日安値(26,954円)の水準が挙げられます。本日の日経平均株価は下落してスタートする可能性があるものの、下値メドには注目が集まります。

 日本では本日、黒田日銀総裁がイベントで講演を行います。現時点では当局者の姿勢が大きく変化する可能性は低いとみられます。ただ、為替市場では足元のドル円相場は 1ドル=113円70銭台で推移していますが、前週には一時ドル円が115円の節目を突破しており、黒田総裁の発言には注目が集まります。一方で、足もとのドル円相場は1ドル=113円70銭台と、オミクロン型変異種への懸念が高まったことなどから前営業日の15:00時点の1ドル=114円60銭台からは円高です。野村では、仮に感染者数が増えたとしても、病床逼迫や死者数増加などにつながらなければ、経済活動への影響も限られ、円高圧力も高まりにくいと考えています。

 米国でブラックフライデーの実店舗への客足は前年比で増加となったものの、2019年を下回ったと報じられています。感謝祭明けはネット利用が増加するとされるサイバーマンデーです。国内でもこの時期にセールなどが開催されることが増えており、引き続き消費関連銘柄や電子取引関連銘柄に影響を与えるかが注目されます。

今週の主な予定など

 12月3日の雇用統計を筆頭に、米国で重要指標の発表が予定されています。市場予想では50万人程度の順調な雇用増が予想され、12月1日発表予定のISM製造業景況指数でも企業景況感の強さが確認される予想となっています。失業率や労働参加率、賃金といった指標も引き続き注目されます。

 高止まりが続いていたWTI原油価格が前週末に大きく下落し、1バレル70ドルを割りました。12月2日のOPECプラス会合では予定されていた原油増産の一時停止が議論される可能性があり、原油価格および資源国通貨に対して注目が集まります。

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