日本:2021年の振り返り

 日経平均株価は、米国の追加経済対策や新型コロナワクチン普及による経済回復への期待が高まり、2月に約30年ぶりに3万円台を回復しました。その後、新型コロナ感染拡大を受けて、緊急事態宣言の対象となる地域が拡大する中、経済活動抑制への懸念が相場の重石となり、約半年調整が続きました。

 8月に大底を形成した後、新型コロナの感染者数がピークアウトしたことや製造業を中心に2021年度通期業績予想の上方修正が本格化したことなどから、日経平均株価は上昇に転じました。菅首相の事実上の退陣表明で、政治的停滞が新局面に移るとの期待が高まり、2月の高値を超え、年初来高値を更新しました。

 ただ、その後は、オミクロン株への警戒や、米国のインフレ懸念を背景にした金融政策の正常化の加速から、日経平均株価は不安定な動きとなっています。

日本:2022年への示唆と注目点

 世界の金融市場が注目する米国の金融政策は、FRBが早期正常化への方針を示しています。金融政策の転換点では株価の変動率は高まりやすく、日経平均株価も影響を受けるとみられますが、最終的に株価は企業業績の拡大に沿って推移するとみています。

 日本では、岸田政権の過去最大規模となる経済対策の実施に加え、供給制約により生産が大きく落ち込んだ自動車産業を中心に挽回生産が進むことで、2022年前半は景気加速が強まるでしょう。

 12月21日時点のラッセル野村Large Cap(除く金融)の2021年度経常増益率は、前年同期比+35.7%に続き、22年度は同+10.7%と、堅調な海外需要により製造業を中心に業績の拡大が続くと予想しています。野村證券では2022年12月末の日経平均株価を31,000円と予想します。

(注)2021年12月23日時点の情報に基づく。
(出所)野村證券投資情報部作成

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