海外市場(1/19)の動向

米国長期金利が一時1.9%に到達、米国株主要3指数は下落

 NYダウは前日比-0.96%で4営業日続落、S&P500指数(同-0.96%)、ナスダック総合指数(同-1.14%)はともに2営業日続落でした。米景気の先行指標の一つとされる12月住宅着工件数が市場予想を上回ったことなどを背景に、米長期金利(10年国債利回り)が一時1.9%台を付けるなど上昇し、株価の重石となりました。

本格化する決算発表、内容は概ね堅調

 米国では決算発表が本格化、金融ではバンク・オブ・アメリカ、消費財では洗剤のタイドやパンテーンなどを手掛けるP&G、ヘルスケアでは医療保険・サービスのユナイテッド・ヘルスが決算を発表し、これら銘柄は逆行高で引けています。長期金利上昇の逆風を業績で支えられるかに注目が集まります。

相場の注目点

新規感染者数が初の4万人超え、野村想定は9万人

 日本国内では、19日に新型コロナの新規感染者数が初めて4万人を上回り、日本政府は「まん延防止等重点措置」を適用する地域に13都県を追加、期間を来月13日までとすることを決めました。

 野村はピーク水準を9万人程度と想定(1月11日時点)しています。これは第5波における感染者数のピーク水準の3.5倍と高い水準ですが、G7各国では既に過去のピーク水準に対して3~5倍の新規陽性者数が確認されています。ワクチンや飲み薬(経口薬)の供給は切り札と言えますが、まだ動きが鈍く1-3月期の景気下押し圧力を払しょくできるとは考えにくい状況です。

消費への影響は

 感染が拡大すれば、一般に消費セクターには向かい風です。他方、サブセクターを見れば、食品などで再び内食(家での食事)が好まれる可能性があります。食品セクターでは値上げが相次いでおり、今後の需要動向が注目されていますが、内食志向はこれを下支えする意味ではポジティブな側面もあるでしょう。また、国外で重要なのは中国の動向です。ゼロコロナ政策を取っているため、需要・供給の両面に影響が出ることが考えられ、業績への影響に注目が集まります。

ASML決算は見通しに強気、日本でも関連株に注目

 オランダ企業で、米国にADRを上場している半導体製造装置のASMLが10-12月期決算を発表しました。売上高が市場予想を下回ったことでADRは2%強下落しましたが、一株当たり利益は市場予想を上回りました。また、EUV露光装置の販売増などから、2022年を通した売上高の見通しは前年比+20%と市場予想より強気な内容を発表しました。同社が露光装置で独占する微細な半導体回路を描く技術「EUVL」は、検査装置でレーザーテック(6920)、材料で信越化学(4063)やHOYA(7741)など、日本のメーカーもサプライチェーンに大きく関わっています。これら銘柄の本日の株価動向が注目されます。

FINTOS!編集部オリジナル記事

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