米国大手半導体メーカーのインテルは1月21日、200億米ドル(約2.3兆円)を投じて、米国中西部のオハイオ州に先端半導体の新工場などを建設すると発表しました。同社が、米国内の新たな地域に製造拠点を設けるのは約40年ぶりとのことです。土地面積は4平方キロメートルで、同社史上最大規模の工場となる見込みです。2022年末までに着工し、2025年の工場稼働を予定しています。
今回建設する新工場では、車載やAI(人工知能)、モバイル端末、高性能コンピューティングなど幅広い用途に向けた半導体を製造する予定です。回路線幅については、10ナノや7ナノ、5ナノに加えて、2ナノ以降の半導体も扱うとしています。また、同工場では自社製品の製造に加えて、他社から生産委託を受けて製造だけを専門に行うファウンドリー事業も展開するとしています。
インテルは、オハイオ州の新拠点には最大8つの工場が建設可能としており、将来の工場増設の意向を示しています。今後10年間での総投資額は1,000億米ドルに上るとの見込みも示されました。インテルの積極投資は、同社と関係が深い、日本の半導体製造装置メーカーにも影響を与える可能性があります。
半導体製造装置大手の東京エレクトロン(8035)は、インテルが2019.3期全社売上の16%、2020.3期は同20%を占める最大顧客となっていました。SCREENホールディングス(7735)は、半導体製造装置事業のインテル向け売上が2019.3期、2020.3期ともに約15%でした。ニコン(7731)は、半導体露光装置の売上の約9割をインテルに依存しています。その他、インテルの組立工程を受託している半導体パッケージメーカーでは、ディスコ(6146)やウシオ電機(6925)のシェアが高いとされています。