主要アセット週間騰落ランキング【2021年2月19日~2月25日】

 前週の世界株式市場は、米国経済指標や企業業績は堅調でしたが、急ピッチな米長期金利上昇が嫌気され上下に不安定な値動きとなりました。株価上昇が顕著だったナスダック総合指数には利益確定の動きがさらに広がりました。

(注)世界主要株価・REIT・商品の騰落ランキングは、28指数のうち上位5指数と下位5指数を抜粋しています

 業種別に見ると、グローバルでは、原油価格や金利上昇を背景に、エネルギーや金融が上昇継続となった一方、一般消費財や情報技術は利益確定売りに押されて下げが目立ちました。国内では、医薬品や電機・精密が売られましたが、不動産、鉄鋼・非鉄、エネルギー資源、運輸・物流、銀行などは上昇しました。

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年2月25日(フィリピンは2月24日)。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:米国と中国の政治・経済イベントに注目

前週の振り返り

 米国金利の急上昇が株価の重石になる場面もありましたが、米国金融緩和の継続やコロナワクチン普及による経済回復への期待が高まり、日経平均株価は3万円を挟んでの動きとなりました。

今週の展望

 米国で3月3日に地区連銀経済報告の発表が予定されています。前週は、米国金利上昇を受け、日本の10年国債利回りも2018年11月以来の水準に上昇しました。日本株への影響を見る上でも米国金融政策に係わるイベントには注目が集まります。また、5日に中国で全人代が開幕します。世界に先駆けて経済回復に向かっている同国の政策方針の決定には注目が集まります。

(今村 允)

米国:引き続き長期金利と企業業績の動向を注視

前週の振り返り

 長期金利急伸が成長期待の高い銘柄に利益確定の動きを誘発する一方、景気敏感株や金融株がNYダウを下支えしました。

今週の展望

 経済指標は、2月ISM製造・非製造業景況指数(3月1日・3日)、2月雇用統計(5日)等の重要指標が発表されます。

 前週のパウエルFRB議長の議会証言では、緩和的な金融政策継続が確認できました。ただし長期金利上昇に一服感が出るまでは、株式市場は不安定となる可能性がありえます。一方、堅調な企業業績が株式市場を下支えすると期待され、今週も企業の決算発表等を通し、企業業績動向を確認したいと考えます。

(村山 誠)

新興国:トルコ、ブラジルのGDPや製造業PMIに注目

前週の振り返り

 米国の10年国債利回りが1.5%台に急騰するなど世界的に金利が上昇する中で、新興国株式市場は軟調に推移しました。その中では、財政問題を抱えるブラジル、香港の印紙税引き上げ発表に伴う香港H株、原油価格上昇の企業業績への悪影響などが懸念されるトルコの株価指数の下落が目立ちました。

今週の展望

 2020年10-12月期実質GDPが3月1日にトルコ、3日にブラジルでそれぞれ発表されます。足元の景気を見る上では、1日に発表される2月の製造業PMIが重要です。高水準ながら前月まで3ヶ月連続で低下したブラジル、前月に急拡大したトルコの動向が注目されます。

 (服部 哲郎)

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