米国市場の動向

米国株は大幅反落

 18日の米国株式市場では、NYダウが前日比-3.56%、ナスダック総合指数が同-4.72%、S&P500が同-4.03%と主要3指数が揃って大幅反落しました。NYダウは1,164ドルの下落で、終値ベースで年初来安値を更新しています。米住宅着工件数・建設許可件数がいずれも前月から減少したほか、小売企業の決算発表で一株当たり利益が市場予想を大幅に下回ったことが嫌気されました。

相場の注目点

 日経平均株価先物(CME)は、前日終値から530円安の26,295円となっています。

ウォルマート、ターゲット…米小売企業、苦戦の理由は

 米国時間の17日寄り前にはウォルマート、18日寄り前にはターゲットと、米国の生活必需品小売大手が決算を発表し、いずれも発表日に2桁の株価下落となりました。2社に共通するのは「売上高は堅調だが、一株当たり利益が市場予想を下回る」という点です。17日発表の米小売売上高からも示唆されるように、インフレによる家計への圧迫は、消費に大きな影響を与えていないようです。一方で、直近の米企業では生産・物流などのコスト増が利益を圧迫している可能性が示唆されます。日本の小売企業業績を考える上でも引き続き米決算に注視が必要でしょう。

参考:ウォルマート(WMT):インフレが会社予想以上に影響<野村の米国株速報>

ナスダックは36ヶ月線近辺で下げ止まるか

 ハイテク株の下落も市場の関心を集めています。ナスダック総合指数の昨日終値は11,418と、昨年11月の史上最高値(16,057)からの下落率が30%に迫り、36ヶ月移動平均線(18日:11,676)を割り込んでいます。チャート面から見れば、今回の長期上昇相場がスタートした2009年3月以降で、主要な下落局面は4回あり、その全てにおいて、上向きの36ヶ月線が下支えとなり、同水準前後から底打ち反転したことが見て取れます。米国の2-4月期決算発表にはソフトウェア企業が多く含まれ、昨日発表のシスコ・システムズ(18日の時間外取引で終値比-12.73%,米東部時間18:09時点)などを皮切りにここから本格化します。これら決算の内容も、ハイテク株の動向を左右しそうです。

参考:ナスダック、今回も36ヶ月線から切り返すか (野村のオピニオン)

マクロが悲観的過ぎるのか、ミクロが楽観的過ぎるのか

 野村のチーフ・エクイティ・ストラテジストの池田氏は5月18日付のレポートで「マクロの悲観論は行き過ぎ、企業の楽観姿勢に軍配上がるか」とコメントしています。例年から見ればポジティブサプライズの多かったセクターが、アナリストの業績修正等を経て相場の下支えとなるか、注目が集まります。

参考:日本株ストラテジー – 電機・精密に集中する—シグナル

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