海外市場の動向

目立った材料がない中、米国株は大幅高

 休場明け21日の米国株式市場で、NYダウは前日比+641.47ドル(+2.14%)の30,530.25ドルと3営業日ぶりに3万ドル台を回復しました。その他、S&P500が同+2.44%、ナスダック総合指数が同+2.50%となりました。特に目立った材料はありませんでしたが、主要3指数は前週までに大きく下落しており、自律反発狙いの買いが先行した可能性があります。エネルギーや一般消費財を中心に全11セクターが上昇するなど、堅調な展開でした。

相場の注目点

ドル円相場は136円台に突入

 米休場明けの為替市場では再び円安が加速しています。ドル円相場は直近高値を上抜けて136円台に突入、一時136円70銭台まで円安ドル高が進みました。特に目立った材料がない中、米国株と米金利がともに上昇し、円安圧力を強めたと見られます。円安が再加速したことを受け、本邦当局の口先介入への注目が再び高まりそうですが、口先介入レベルに目立った変化が見られなければ、目先は円安の勢いが維持される可能性があります。

野村證券は米国経済の景気後退局面入りを予想

 野村證券は米国経済見通しを改定し、2022年10-12月期以降に5四半期連続の緩やかな景気後退(2四半期連続で前期比マイナス成長)局面に入ると予想します。背景には、金融環境の引き締まりや消費者信頼感の低下、エネルギーと食料供給を巡る混乱が悪化し、米国以外の成長見通しも厳しくなっていることなどが挙げられます。過去の景気悪化時と比較すると消費者は大幅な貯蓄超過を有することから、当初の景気収縮のペースは抑えられると見ますが、持続的な高インフレのため、当面、政策当局の対応余地も限られると考えます。2022年の実質GDP成長率の野村予想を前年比+2.5%から同+1.8%に下方修正しました。また、2023年の実質GDP成長率も前年比+1.3%から同-1.0%に下方修正しています。利上げについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が23年2月に3.50~3.75%に達した時点で終了すると見ます。一方、2023年後半には複数回の利下げが実施され、FF金利誘導目標中央値は23年末に2.875%、24年末に0.875%に低下すると予想します。

米国スペシャルレポート:経済見通しの改定 – 景気後退入りの可能性が高まる」より

パウエル議長議会証言が予定

 米国ではパウエル議長の半期議会証言が予定されています。FRB(米連邦準備理事会)はインフレを中心としたデータ重視の姿勢を強めているため、6月FOMCからの政策姿勢の変化は限定的だと考えられます。

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