
海外市場の動向
主要3指数は揃って小幅反落 景気後退への懸念が重石
22日の米国株式市場で、NYダウは前日比-0.15%、S&P500指数は同-0.13%、ナスダック総合指数は同-0.14%と主要3指数は揃って小幅に反落しました。この日の米国株式市場は、パウエルFRB議長の議会証言を無難に通過したものの、金利引き上げによる景気後退への懸念が重石となりました。
相場の注目点
パウエル議長発言は「サプライズなし」で、注目は経済指標へ
パウエルFRB(米連邦準備委員会)議長の姿勢は、先週の6月FOMC(米連邦公開市場委員会)と大きく変わりませんでした。2%インフレへの回帰に強くコミットとした一方、今後の利上げペースはデータ次第としています。FRB高官の発言も相次いでいますが、0.75%ポイントか0.50%ポイントの利上げを示唆と、大きなサプライズにはなりませんでした。
実際の「データ」を確認する上では、きょう23日(木)発表の各国PMI速報値や、明日24日(金)の6月ミシガン大学消費者センチメント指数確定値に併せて発表される、消費者の期待インフレ率などが注目されます。
意外と重要な米3-5月期決算、きょうアクセンチュアやダーデン・レストランツ
米国の3-5月期決算が本格化しています。S&P500全体でみれば、同決算期に該当する企業は4%と多くありませんが、89%を占める4-6月期決算企業に向けた観測気球としては重要です。本日23日(木)発表では、法人向けのデジタル関連投資の動向を見る上ではアクセンチュア(ACN)、外食などサービス業の事業環境をみる上ではダーデン・レストランツ(DRI)などの決算が挙げられます。
なお、今週発表のあった住宅大手2社(レナー()、KBホーム)では、いずれも一株当たり利益は市場予想を上回りました。新築住宅着工件数など経済指標は軟調な内容が続いていますが、KBホームでは通期の売上高見通しを維持するなど、必ずしもマクロから見たセクターとミクロから見たセクターの印象が一致しない場合があり、米国の3-5月期決算発表は企業業績から見た投資を考えるヒントになりそうです。
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