米国市場の動向

米主要3指数は揃って上昇

 23日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比+0.63%、S&P500指数は同+0.95%、ナスダック総合指数は同+1.62%と主要3指数は揃って上昇となりました。ユーロ圏の6月マークイットPMIの結果を受け、インフレの高進や供給制約が欧州経済を減速させたとの見方が広がり、欧州株の重石となりました。欧米の6月のPMIが総じて悪化したことを受け、米国債利回りが低下したことから、米主要3指数は上昇して取引を開始しました。場中に、FRB高官のインフレ抑制に向けた強い姿勢を示す発言を受けて、金融引き締めによる景気減速への懸念が広がり、NYダウやS&P500指数は前日比で下落へ転じる場面もありました。ただ売り一巡後は、米国10年債利回りが3.08%付近での推移になったことからハイテク株の上昇が市場をけん引し、主要3指数は再度上昇へと転じると、この日の高値圏で取引を終了しました。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値をやや上回る

 日経平均先物CME終値は26,195円となりました。日経平均株価の6~8月の配当落ち約48円を考慮した場合、実質的なCME終値は26,243円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(26,171円)をやや上回る水準です。前日の米国市場でハイテク株の上昇が目立ったことから、本日の国内市場でも成長株を中心とした銘柄が同様の展開になることが期待されます。ただ、フィラデルフィア半導体株指数は続落しているため、国内半導体関連株の動向には注意が必要です。加えて、景気後退の懸念が高まり、WTI原油先物価格が続落したことなどから、東京市場のエネルギー関連株は相対的に軟調な展開が予想されます。
 足もとのドル円相場は1ドル=134円80銭台と、前営業日の15時の135円60銭前後から円高です。円高を受け輸出関連株を中心に、日本株への影響に注目されます。

欧米で経済指標発表などが相次ぐ

 ドイツでは6月Ifo企業景況感指数が発表されます。エネルギーなど供給制約が強まる見通しの下、前月まで2ヵ月連続で予想外の改善となった反動が表れるかにも目配りが必要です。
 米国では、インフレの状況を確認する上で、ミシガン大学による6月消費者期待インフレ率調査確報値(24日)や、翌週の6月コアPCE(個人消費支出)デフレーター(30日)などが注目されます。また、本日はセントルイス連銀ブラード総裁が講演を行い、翌朝方にはサンフランシスコ連銀デイリー総裁も講演を行う予定で、金融政策の見通しについて発言が出るか注目です。

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