米国市場の動向

米消費者物価指数の発表を10日に控え、主要3指数は小幅な騰落に留まる

 8日の米国株式市場で、NYダウは前週末比+0.08%、S&P500指数は同-0.12%、ナスダック総合指数は同-0.10%と主要3指数は小幅な騰落にとどまりました。この日は、寄り前に発表されたエヌビディアの見通し引き下げを受け半導体株が下落しましたが、それ以外のセクターは10日の米消費者物価指数の発表を前に小動きとなりました。7月の雇用統計を受け、上昇していた米国10年債利回りがやや低下したことを受け、主要指数は堅調なスタートとなりました。しかし、寄り前にエヌビディアが2022年5-7月期の売上高が市場予想を大幅に下回る見通しになったと発表したことを受け、半導体株が下落し、指数全体も上げ幅を縮小していきました。米国時間午前11時に発表されたNY連銀7月消費者調査では、1年先の期待インフレは6.2%、3年先期待インフレは3.2%と、いずれも5ヶ月ぶりの低水準となりましたが、株式市場、債券市場へのインパクトは限定的なものとなりました。その後もやや軟調な展開となり、NYダウは小幅高、S&P500指数、ナスダック総合指数は小幅安でこの日の取引を終えました。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値を下回る

 日経平均先物CME終値は28,125円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,249円)を下回る水準です。日経平均株価は、前日まで4連騰で、6月9日の高値に迫っていました。エヌビディアの見通し引き下げもあり米国市場でフィラデルフィア半導体株指数が下落したことから、日本市場でも半導体関連株が軟調に推移する可能性があります。

前日は日経平均株価の寄与度が高い2銘柄が決算発表

 決算発表企業が相次いでいます。前日引け後に発表されたソフトバンクグループの2022年4-6月期の決算では、市場予想以上の税前損失となりました。上場投資先の株価下落を受け、大幅な評価損を計上しました。SVF(ソフトバンクビジョンファンド)の投資損益は2.9兆円の損失となりました。また、東京エレクトロンの2022年4-6月期の決算では、実績は増収減益で市場予想を下回りました。会社は通期見通しを据え置きました。半導体製造装置セグメントは、部材不足等の影響などによってセグメント利益率が前年同期の34.9%から、28.8%へ低下しました。日経平均株価の寄与度が高いソフトバンクグループと東京エレクトロンの決算を受けた株価動向に注目が集まります。また本日は、取引終了後にはオリンパス、ネクソン、テルモなどが決算の発表を予定しています。

日本で7月工作機械受注が発表予定

 経済統計では、本日9日に7月工作機械受注(速報)が発表されます。景気減速懸念が根強い中、設備投資の先行指数となる同統計の結果に注目が集まります。
 また米国のインフレ動向を確認する上で、10日が米国7月消費者物価指数、11日が米国7月生産者物価指数、12日が8月ミシガン大学消費者信頼感指数に注目が集まります。

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