米国市場の動向

米主要指数は続伸

 8日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比+0.61%、S&P500指数は同+0.66%、ナスダック総合指数は同+0.59%となり、主要3指数は揃って上昇しました。ECBの大幅利上げや、パウエルFRB議長のタカ派姿勢が変わらなかった講演などのイベントを通過し、米国景気失速の兆候が見られないことなどから米主要指数は続伸となりました。

ECB理事会で0.75%ポイントの利上げを決定

 ECB理事会は0.75%ポイントの利上げを決定しました。利上げ幅は1999年のユーロ誕生以降最大となる利上げ幅です。主要政策金利を0.50%から1.25%に、市中銀行がECBに預ける際の中銀預金金利を0%から0.75%に引き上げます。
 ECB理事会による次回10月の会合で0.75%ポイントの利上げ期待は一段と高まっていますが、ユーロ相場の反応は限定的でした。ラガルド総裁は記者会見で「ユーロの下落はインフレ圧力を増した」「ユーロ相場を注視」といった発言を行いましたが、「ユーロを目標にしていない」とも発言しており、直接的な牽制が避けられたことで、ユーロ高効果が限定された可能性があります。ECBによる大幅利上げもあり、景気後退入りの懸念も高まっています。利上げ期待がすでに大きく高まっていることもあり、ユーロドルの上値の重さは続く可能性もあると野村證券では考えています。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値から横ばい

 日経平均先物CME終値は28,095円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,065円)からほぼ横ばいです。米国市場ではヘルスケアや金融セクターが相対的に堅調に推移し、主要指数が続伸となっています。本日の東京市場でも円安などを追い風に日経平均株価が続伸となるか注目です。
 足もとのドル円相場は1ドル=143円90銭台と、前日の15:00時点の143円70銭台から若干円安が進んでいます。昨日、財務省と日本銀行、金融庁の実務者が開いた情報交換会合が行われ、会合後に神田財務官は最近の円安は明らかに過度な変動と述べた上で「あらゆる措置を排除せず、為替市場で必要な対応を取る準備がある」と述べました。ただし、今回の会合後に声明文の発表はありませんでした。野村證券では、ドル円相場で145円突破前の為替介入の可能性は低いと見ており、来週の米CPI次第では145円を試す可能性が残っていると見ています。
 

9月FOMC前では最後のFRB高官の発言

 次回のFOMCは9月20-21日です。FOMC前にFRB高官が金融政策についての発言を控える「ブラックアウト期間」は、FOMCの2週間前の土曜日(今回は9月10日)となるため、本日のシカゴ連銀エバンス総裁とウォラーFRB理事の講演が、FOMC前の高官発言の最後になります。9月13日のCPI公表前であることから、9月利上げ幅を特定するような発言は見込まれないと野村證券では考えています

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