商品価格は3年で大幅上昇の見通し

 日本は小麦や大豆などの食料や、石油や天然ガスのようなエネルギーなどの原材料を輸入に頼っており、その価格も上がっていることは報道などで、ご存じだと思います。しかし、普段私たちがあまり目にしないような原材料の価格も足元で、大幅に値上がりしています。

 次の表は、世界銀行が発表しているコモディティ価格、各種商品価格の見通しです。2021年と2024年の価格との変化率を見ると、わずか3年間で大幅に値上がりしているのがわかります。

※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

 最も値上がりしている左上のカリウムはあまりなじみが薄いかもしれませんが、左上から5番目に記載の尿素と合わせて化学肥料の中でも重要な原料のひとつです。この原材料の値上がりが、家畜のエサである飼料の価格上昇につながり、そして牛肉や豚肉、鶏肉などの価格上昇につながります。 

(注)2022年以降が世界銀行による予測値。計数は年を通じての平均値。2021年から、2022年・2023年平均値の上昇率が高い品目を抜き出して表示している。
(出所)世界銀行資料より野村證券経済調査部作成

世界人口の半数を化学肥料が養う現実

 また次のグラフは、世界の人口(黒線)ならびに、化学肥料によって養われている人口(赤線)を表しています。

 2015年時点で世界の人口はおよそ73.8億人ですが、その内およそ半分の35.4億人の人々は化学肥料によって養われていることになります。さらに、その割合も年々大きくなっていくのが見て取れます。

 私たちが、普段は直接目にしない、見えない原材料の価格高止まりのリスクは決して小さいとは言えません。

(注)直近値は2015年。
(出所)オックスフォード大学資料より野村證券経済調査部作成

ご投資にあたっての注意点