今年最大の政治イベントである米国中間選挙(米国時間11月8日(火)実施)まで残り1ヶ月となりました。今回の中間選挙の争点や結果のシナリオ分析などは他に譲るとして、本稿では中間選挙を節目とした株価の動きについて注目してみましょう。

 米国大統領選挙は4年おきに実施され、投開票日は11月最初の月曜日の翌日と決められています。中間選挙は、大統領選挙の間の中間の年に実施される上下両院選挙のことで、大統領に対する国民の中間評定と位置付けられます。下図は、1970年以降の米国中間選挙の前年末(A)、中間選挙日(B)、中間選挙の翌年末(C)、大統領選挙日(D)のNYダウ終値と各期間の株価騰落率を一覧にしたものです。今このタイミングで注目されるのは、中間選挙日から翌年末までの株価騰落率となる(B)→(C)でしょう。

 1970年以降、共和党・ニクソン大統領から前職の共和党・トランプ大統領まで、中間選挙は合計13回実施されています。(B)→(C)の株価騰落率を見ると、なんと13勝0敗で全勝、勝率100%です(第2期オバマ政権が際どいですが)。平均騰落率も+16.6%と高いパフォーマンスを示しています。中間選挙の前年末から中間選挙日まで(A)→(B)が勝率61.5%、平均騰落率+2.2%、中間選挙の翌年末から大統領選挙日まで(C)→(D)が勝率61.5%、平均騰落率+3.0%ですので、際立った結果と言えます。

 突出した株価パフォーマンスの背景としては、第1期政権では2年後の大統領選挙での再選を睨んだ政策運営となりやすく、景気対策等の政策が打ち出されることへの期待感が広がりやすいことが要因とされています。そこにアノマリー(経験則)が生まれる余地がありそうです。第1期政権は当初は高い期待値を持って国民に迎えられる半面、中間選挙では厳しい評価を受けがちです。前述13回の中間選挙のうち、第1期政権時での実施は9回ありますが、中間選挙前の(A)→(B)の勝率は44.4%、平均騰落率はー2.4%と低調です。一方、中間選挙後の(B)→(C)の平均騰落率は+19.1%と良好です。年初から低調な米国株にとって心強いデータと言えるでしょう。

テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

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