かつては円高局面で株高、円安局面で株安になる傾向があった

 2008年のリーマンショック後、わが国では対ドルで円安となる局面で、輸出企業の採算が改善し景気が刺激されるとの期待から株高になる傾向が定着していました。しかし、2020年に新型コロナの感染が拡大して以降はこの関係が崩れています。米国金利が低下する局面では、円高と株価上昇が同時進行する傾向も出てきています。

 むしろ歴史的には円高局面で株高、円安局面で株安が進む傾向が多くみられました。通貨と株価との関係は、円高・円安の原因によって異なってきます。株式市場にとって円高よりも円安が好ましいと決めつけることは禁物です。

(野村證券投資情報部 山口 正章)

ご投資にあたっての注意点