円高後の外需企業の決算では、発表後に株価パフォーマンスが改善しやすい

野村證券のトップダウン分析では、ラッセル・野村ラージキャップ(除く金融)の2022年度の第3四半期業績は前年同期比18%増収、同1%営業減益であったと予想します。第2四半期(同23.7%増収、同3.6%営業増益)から増収率が鈍化して営業減益に転じたとみます。

足元で円高ドル安が進んでいること、値上げペースが緩やかになっていること、外需に減速感が出ていることから、前年同期比で見た増収率はピークアウトする局面に入ったとみられます。また、第3四半期においても原材料高の影響が残っており、売上高の増加を費用の増加が打ち消す構図になったと予想します。

野村證券では、会社予想は楽観的であり下方修正リスクがあるとみていました。足元で円高ドル安が進んだ分、外需企業については下方修正リスクが一層高まったとみます。

過去、円高進行後の外需企業の決算では、株価はどのように反応したのでしょうか。決算発表の60~1営業日前までに5円以上円高ドル安が進んだ決算を対象に、発表前後の対TOPIXの累積超過リターンを集計したところ、決算発表の3営業日前にかけてリターンがTOPIXを下回りますが、その後に底打ちする傾向があります。

会社予想を下方修正した場合でも、発表後8営業日目が底で、その後はパフォーマンスが回復する傾向があります。決算発表の通過が一つの投資タイミングになっているとみられます。上述のように、会社予想の下方修正リスクを踏まえて、外需企業の投資タイミングは決算発表後を推奨します。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – Q3決算見通し、外需企業の買いのタイミング(1月18日配信)」(プレミアム会員限定配信)

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