来週の注目点:植田次期日銀総裁候補の政策スタンスに注目

 次期日銀総裁・副総裁候補の所信聴取・質疑が24日、国会で行われます。総裁候補である元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏や、副総裁候補の氷見野良三・内田眞一両氏の政策スタンスに注目が集まります。いずれ日銀がイールドカーブコントロール(YCC)の修正に動くことが市場のコンセンサスですが、その時期や操作対象年限については見方が分かれます。マイナス金利の解除についても市場で織り込みが進みつつありますが、実施時期については2023年内か24年以降との予想で分かれます。24日の聴取・質疑では、具体策は明示されないとの見方もありますが、今後、新体制の方針が明らかになるにつれ、市場金利に上昇圧力が掛かり、円高圧力が高まる可能性があります。

 日本の経済指標では、21日(火)に2月auじぶん銀行PMI(購買担当者景況感指数)速報値、24日(金)に1月全国消費者物価指数が発表されます。食料品や宿泊料の上昇に伴い、インフレ率は前月から加速すると野村證券では予想します。

 米国では、底堅い景気とインフレ圧力の継続を示唆する経済指標が相次ぎ、米国経済のソフトランディングとFRB(米連邦準備理事会)の利上げが長期化する可能性が意識されています。21日(火)発表の2月S&PグローバルPMI速報値、22日(水)の1-2月FOMC議事録、24日(金)の1月個人消費支出・所得統計では、足元の景況感、インフレや賃金等の経済指標や、それらを踏まえたFOMCでの議論内容に注目が集まります。

 ユーロ圏では、21日(火)に2月S&PグローバルPMI速報値、ドイツの2月ZEW景況感調査、22日(水)にドイツの2月Ifo企業景況感指数が発表されます。消費者心理の改善、供給網の混乱の緩和が景況感の改善につながる可能性があります。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年2月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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