投資家の皆様から関心の高い質問を専門分野のリサーチャーに聞いてみました!

Q:期末の株式需給に配当はどう影響する?

配当・優待をきっかけとした買いは株式需給に影響を与えるのでしょうか?配当権利付最終売買日には指数連動型のパッシブ系運用資金による配当再投資の買いが発生すると聞いたことがありますが、これは実際に発生しているのでしょうか?

A:配当再投資の買いは実際に発生

パッシブファンドの”いわゆる”配当再投資の買いは実際に発生しています。ただ、これは正確には「トラッキングエラー(TOPIXなど連動対象の指数の値動きに対する実際の運用ポートフォリオの値動きの誤差)」を小さくするためのヘッジ目的の先物買いです。大阪取引所が開示している投資部門別の先物売買動向を見ていただくと、3月最終週や9月最終週に信託銀行(年金基金などが含まれる投資部門です)が先物を大きく買い越していることがわかります。

実際の現物株への配当再投資は、企業から配当を受け取ったときに行われます。受け取った配当で現物株を買い、同時に上記のヘッジ目的で買われた先物が売られるので、実際に再投資が生じる際の需給インパクトはニュートラルになります。

(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成

ご投資にあたっての注意点