投資家の皆様から関心の高い質問を専門分野のリサーチャーに聞いてみました!

Q:中国のリオープン、機械に恩恵は少ない?

中国のゼロ・コロナ政策転換について、 「工場の再稼働などから自動化投資が再開し、日本企業においては機械などの分野で中国向け輸出の回復が期待される」 とする見方と、「サービス業の回復が中心となり、日本の製造業への恩恵は少ない」との見方、いずれもありうるように思います。実態はいかがでしょうか。

A:機械などの自動化投資は明確な回復時期を窺うべき状況

「工作機械受注(確報)」を見ると、コロナ禍が本格化した2020年以降に、中国からの機械受注は大きく増加しています。ゼロ・コロナ政策は、むしろ企業に対して生産工程の自動化投資を促す出来事だったと見るべきでしょう。ゼロ・コロナ政策の緩和が、自動化投資を進める上で企業のコンフィデンスを高める面はあると思いますが、それが主因となって自動化投資が大きく伸びるとまでは言いにくいように思われます。

ただ、2022年に人口が減少し始めた中国にとって、工場の自動化は引き続き重要課題であり続けるでしょう。あくまで自動化投資それ自体のサイクルに従う形で、中国の自動化投資は明確な回復時期を窺うべき状況と考えられます。

(出所)野村證券経済調査部より野村證券投資情報部作成

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