海外市場の振り返り

米国株は下落しました。FOMCは、政策金利誘導目標の4.75~5.00%への0.25%ポイント利上げ、債券保有額のこれまでと同じペースでの減額継続などを発表しました。声明文では従来の「継続した利上げが適切になる」から「何回かの追加引き締めが必要かもしれない」と表現が変更されたことがハト派的と受け止められ米国株は一旦は上昇しました。パウエルFRB議長の会見では、「今年の利下げを全く想定していない」ことをコメントしたことはややタカ派的だったものの、FOMC全体を通してはハト派的と捉えられドル安が進みました。一方、FOMCで金融不安により景気やインフレに下押し圧力がかかったことが示唆されたことに加え、イエレン米財務長官が上院小委員会で「全面的な預金保険の提供を検討していない」とコメントし、観測報道された預金保護上限を現状の25万ドルから議会承認なしに一時的に引き上げる案を否定したことが伝わると、米国株は金融株を中心に下落し、米10年国債利回りも低下するなどリスクオフとなりました。

相場の注目点

引き続き、各国のインフレ対応での金融引き締めと、金融システムの健全性維持の対策が注目されます。

本日のイベント

イングランド銀行(英中銀)の金融政策会合が予定されています。市場では、政策金利を4.25%への0.25%ポイント追加利上げが予想されています。今般の銀行破綻による世界的な金融システム不安のなか、次回5月会合での追加利上げが示唆されるかが注目されます。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2023年3月23日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

FINTOS!編集部オリジナル記事

【2周年特集】株式レーティング(格付け)はどう決まる?株価への影響は?各社の強気・弱気の基準一覧を紹介

【#空飛ぶクルマ】AI抽出15銘柄/メガチップス、東京製鐵、日本製鉄…

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点