海外市場の振り返り

週明け27日の米国株は、NYダウ・S&P500が小幅高、ナスダックは小幅安でした。米当局が銀行への緊急融資制度の拡充などの支援策を検討していることが報じられ、シリコン・バレー・バンクの全預金と融資残高を引き受けるとFDICが発表したファースト・シチズンズ・バンクシェアーズが大幅高となり、欧州市場でも先週急落したドイツ銀行も反発したことなどから金融システム不安が一旦和らぎ、金融株は堅調でした。また、イラク北部からの原油の一部輸出停止報道などで原油価格が反発したことから米エネルギー株も上昇しました。一方で、金融システム不安から低下していた金利がやや上昇したことなどで、金利敏感のコミュニケーション・サービス株、テクノロジー株はやや軟調となりました。

相場の注目点

米国の金融システムについて、追加情報により透明性が高まることは市場の懸念を払拭する材料として注目されます。米上院銀行委員会公聴会が本日開催されますが、金融監督担当のバーFRB副議長は証言原稿で、銀行システムは健全で耐久力があり、銀行システムの安全のためあらゆる措置を講じると述べています。29日の下院金融サービス委員会の公聴会と併せて注目されます(両公聴会は米国株取引時間中にウェブで生中継されます)。

本日のイベント

米国では3月コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されます。金融システム不安については調査期間が限られ影響は限定的ですが、賃金上昇率を上回るインフレの中、同指数は低下傾向が継続することが予想されています。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2023年3月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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