来週の注目点:米国の重要統計と米地区連銀総裁の発言に注目

銀行セクターに対する懸念に関しては、米金融当局の迅速な対応や、スイス最大手銀行による問題行の買収などが発表され、金融不安が和らぎました。一方で、金融監督担当のバーFRB(米連邦準備理事会)副議長が上院議会証言で、規制強化について言及したことにより、実態景気への悪影響が懸念されています。金融環境の引き締まりが今後、景況感や労働需給、インフレなどに影響し、FRBの金融政策スタンスが変更される可能性に注意する必要があります。その中で、4日(火)のクリーブランド連銀メスター総裁の講演や、6日(木)のセントルイス連銀ブラード総裁の講演での発言が注目されます。

米国の経済指標では、3日(月)に3月ISM製造業景気指数、5日(水)に3月ADP全米雇用レポート、3月ISMサービス業景気指数、7日(金)に3月雇用統計と重要統計発表が相次ぎます。

日本では、3日(月)に3月調査・日銀短観が発表されます。中国のゼロコロナ政策の解除は製造業や企業の設備投資計画に追い風になると見込まれる一方で、欧米の金融不安や米国の景気減速懸念は下押し圧力となる可能性があります。非製造業では個人消費を中心とした国内需要の底堅さを示すと考えられます。

中国では3日(月)に3月財新版・製造業PMI、6日(木)に3月財新版・サービス業PMIが発表されます。ゼロコロナ政策の撤廃による景気回復の勢いは3月も継続すると見られます。

ユーロ圏では、5日(水)にドイツの2月製造業受注が発表されます。12月、1月に続き3ヶ月連続で前月比でプラスとなるか注目です。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年3月31日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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