来週の注目点:米経済指標、主要企業の通期見通しに注目

12日発表の3月米コアCPI(消費者物価指数)は前年比+5.6%と6ヶ月ぶりに伸びが加速し、引き続きFRBの目標である2%を大幅に上回っています。12日に公開された3月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録によれば、米中堅銀行の破綻に伴って信用供与が減少し、経済活動を抑制する可能性が議論されましたが、金融不安の影響に配慮しつつも、インフレ抑制を優先する姿勢を崩していませんでした。市場の利下げ期待が継続する中、引き続き、株式相場のボラティリティーを高める要因となるでしょう。

今後注目点は、引き続き雇用を中心とした米国の実体経済です。17日(月)に4月NY連銀製造業景気指数、18日(火)に3月住宅着工・建設許可件数、19日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、20日(木)に4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月中古住宅販売件数が発表され、注目が集まります。来週以降、米主要企業の2023年1-3月期決算発表が本格化します。会社の通期予想に透けて見える米国経済への展望も併せて注目です。

日本では、19日(水)に3月訪日外国人客数、20日(木)に3月貿易統計、21日(金)に3月全国消費者物価指数、4月auじぶん銀行PMI速報値が発表されます。インバウンド需要回復や、マスク着用ルールなどの活動制限の緩和がサービス業の景況感の改善につながると予想されます。

中国では、18日(火)に1-3月期実質GDP、3月小売売上高、3月鉱工業生産、1-3月固定資産投資及び不動産投資が発表されます。ゼロコロナ政策の解除を受けて消費、生産及び投資が持ち直し、1-3月期の実質GDP成長率が前年比+3.6%(前期は同+2.9%)に回復すると野村證券では予想します。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年4月14日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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