決算発表のピークを迎える、自動車や通信など時価総額上位企業の発表が集中

 日本企業の決算発表ですが、これまでの所、売上と利益共に実績が市場予想を上回る企業が優勢となっており、堅調な結果となっています。そして、今週はいよいよ発表のピークを迎えます。11日にSUBARUや日産自動車、12日に国内時価総額トップのトヨタ自動車、13日にスズキ、14日に本田技研工業など大手自動車メーカーの決算発表が相次ぐ予定です。足元の自動車市場ですが、米国や中国での販売が堅調で需要面の不安は後退しています。一方、供給面では、日系メーカーはルネサスエレクトロニクスの火災の影響で、2022.3期の上期には大規模な減産リスクがあります。ただし、野村では下期の挽回生産で減産分の7割は取り戻せると予想しています。在庫不足による値引きの縮小も追い風となるでしょう。会社別では半導体の在庫状況や、サプライチェーンのマネジメント力によって明暗が分かれる可能性もあり、各社の今期ガイダンスに注目しています。

 大手通信会社の決算も今週に集中しています。11日にソフトバンク(通信子会社)、12日に日本電信電話、13日に楽天グループ、14日にKDDIが予定しています。足元では、各社の携帯新ブランド(オンライン専門ブランドなど)での顧客獲得競争が開始されています。2022.3期の各社の携帯通信サービス収入には、携帯料金の値下げなどによる影響が出る可能性があるため注視しています。また、通信各社は増配と自己株式取得を株主還元の基本政策としており、各社の株主還元策についても市場の注目を集めるでしょう。ソフトバンクの親会社で、国内時価総額2位のソフトバンクグループの決算は12日に予定されています。2021年1-3月期については、ハイテク企業を中心に株式市場が堅調に推移していたこともあり、同社の投資ファンド事業の利益拡大に注目が集まります。

今週の主要企業決算予定表

(注)すべてを網羅しているわけではありません。野村カバレッジ銘柄の中から主要企業の決算発表日を掲載。図表は2021年5月7日時点のブルームバーグ情報(見込みを含む)に基づいており、今後変更や延期となる可能性もあるためご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

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