特集
514件
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05/17 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、これまで概ね上値を抑えられてきた25日線を上抜け
※画像はイメージです。 ※2024年5月16日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 中期的に再び史上最高値を視野に入れる動きとなるか 今週の株式市場は、米金利低下を背景に米国株が上昇し史上最高値を更新したことなどを好感し、日経平均株価は堅調に推移しました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、4月19日安値(36,733円)形成後に反発となり、75日移動平均線(5月16日:38,568円)を挟んでの値動きが続いています。ただ、5月16日の上昇で、これまで概ね上値を抑えられてきた25日移動平均線(同:38,409円)を上回り、75日線の上に再浮上してきました。この先、これら移動平均線超えを維持できれば、4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなると考えられます。 一方、目先の戻りが鈍く25・75日線を割り込み、さらに調整が続く場合は、4月19日安値(36,733円)に向けて再度下値を固めにいく展開が想定されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年5月16日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年4月安値にかけての調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えられます。前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%(終値ベース)でしたが、今回の下落率は4月19日安値時点で9.3%(同)に達しており、値幅調整は概ね十分と言えます。 一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めず、この先しばらく戻りを抑えられる場面もありそうですが、先行きは再び史上最高値を視野に入れる上昇になると考えられます(図2)。 (注1)直近値は2024年5月16日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 NYダウ/ナスダック総合指数 史上最高値更新 米国株は、今年3月高値形成後に、利下げ時期の先送り観測や地政学リスクの高まり等から、4月安値にかけて押しを入れる動きとなりました。しかし、米FOMC後の記者会見等を受けて、FRB内で利上げ議論が高まっていないとの見方が広がりました。さらに5月15日に発表された4月の米消費者物価指数でインフレ鈍化が示されたことにより、利下げ期待が高まり株価は大幅上昇となりました。この結果、NYダウやナスダック総合指数は史上最高値を更新しました(図3、図4)。 (注1)直近値は2024年5月15日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 (注1)直近値は2024年5月15日。(注2)トレンドライン等には主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成 今後も利下げ時期をめぐって神経質な展開は続くと考えられますが、チャート分析の観点からみれば、株価の長期上昇トレンド自体は継続すると考えられます。 過去のNYダウの長期上昇局面を分析すると、2009年安値形成後に5回(図5:図中①~⑤)の上昇局面がありましたが、コロナショックで高値形成となった局面(同:④)を除けば、株価は安値から1.7~2.0倍となりました。 (注1)直近値は2024年5月15日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 それに対して今回の上昇は、今年5月高値にかけて1.4倍の上昇に留まっています。仮に、最低の上昇倍率である1.7倍を適用すると48,832ドルと試算され、今後も上昇の余地があると考えられます。また、ナスダック総合指数についても同様の傾向が見られます。 長期トレンド上で、NYダウやナスダック総合指数の上昇余地があると考えられる中、米国企業業績も2025年にかけて二桁増益(市場予想ベース)が期待されており、2022年下半期から始まった長期上昇トレンドは今後も持続する可能性が高いと考えられます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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05/16 19:00
【銘柄ランキング】60代に買われた個別銘柄は?トップ20を紹介(2024年2-4月分)
トップ3は、NTT、三菱UFJ、トヨタ 2024年の日本株は年始から大きく上昇し、3月には日経平均株価が初めて4万円台に到達しました。その後、米半導体株の下落や中東情勢の緊迫化を受けて、4月に日本株は一時、大幅に下落しましたが、月末には下げ幅を縮小させました。この期間中には、どのような銘柄が個人投資家によって購入されたのでしょうか。 今回は、2024年2月1日から2024年4月30日までの期間に、野村證券に口座を持つ60代の個人投資家によって購入された上位20銘柄をランキング形式でご紹介します。さらに、野村證券の個人投資家口座全体での買い付けランキング(以下、全体ランキング)とも比較してみました。 トップ3は、1位が日本電信電話(9432)、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位がトヨタ自動車(7203)で、全体ランキングと一致しました。 上位20銘柄のうち、全体ランキングと比較して5位以上順位が上振れている銘柄は、13位のKDDI(9433)の1銘柄でした。総じて全体ランキングと大きな違いは見受けられませんでした。業種別では、情報・通信業が4銘柄、輸送用機器と電気機器がそれぞれ3銘柄ランクインしました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月15日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/13 19:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(5月第2週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年5月第2週(2024年5月7日~5月10日) 2024年5月月間(2024年4月30日~5月10日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年5月10日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年5月10日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年5月第2週(2024年5月7日~5月10日) 2024年5月月間(2024年4月30日~5月10日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年5月10日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年5月10日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年5月10日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/12 12:00
【特集】高値からの積立投資を検証する バブル期から月1万円積み立てた評価額推移
バブル期、1989年末の日経平均株価最高値から2024年3月まで月1万円の積立投資を続けたとしたら評価額はどうなっていたでしょうか。シミュレーションしました。 積立投資はマーケットがどのような状態のときに始めるのがいいのでしょうか。2024年2月に日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新しました。3月下旬以降株価は調整しましたが、「もう少し株価が下がったら積立投資を開始したい」と思っている方もいるかもしれません。 では、もし34年前の最高値のときから積立投資を始めたとしたら、どうなっていたでしょうか。野村證券投資情報部が試算しました。 1989年のバブル期最高値から始めた日経平均の積立投資、その投資成果は? こちらは日経平均株価がバブル期最高値の38,915円を付けた1989年12月末から、日経平均に毎月末1万円の積立投資を始めた場合の試算です。 (注)データは月次の終値ベースで、1989年末から2024年3月末日まで。積立投資は、日経平均に毎月末に10,000円ずつ投資をするとして計算。手数料、税金等は考慮していません。上記は過去の実績をもとにした試算結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。局面によっては、積立による投資成果が期待できない場合があります。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約19年後、2009年2月末には日経平均はバブル期以降の月末値の最安値、バブル・ピーク時の約1/5となる7,568円まで下がりました。それに対して積立投資の評価額は115万円で、累計投資額231万円の約1/2の水準に留まっています。 その後2013年4月末になると日経平均は、ピーク時の約1/3の13,860円まで戻しました。その時の積立投資の評価額は283万円となり、累計投資額の281万円を上回ってきました。つまり利益が出た状況になったわけです。 積立投資の継続で日経平均が低迷している期間に、より安い価格で多くの口数の買い付けができたことで平均買付コストが下がり、日経平均が高値に比べて低水準でも評価額がプラス圏に浮上できたといえます。 そして2024年3月末の日経平均が40,369円に達した段階では、積立投資の評価額は1,077万円となりました。累計投資額の412万円の約2.6倍になり、大幅に含み益の状況になりました。 積立投資の推移(試算)の特徴 積立投資の評価額(オレンジのグラフ)を見ると積立投資を始めた初期においては、買い付けた累計口数がまだ少ないため、投資対象(ここでは日経平均株価)の価格変動の影響が、金額として相対的に小さいことが分かります。 時間の経過とともに買い付けた累計口数が多くなるため、投資対象が価格変動することによる影響は金額的に大きくなります。つまりグラフが右側に行くほど金額のブレ幅は大きくなる傾向が見て取れます。 積立投資は、毎月同じ金額を投資することで、価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入できる、というメリットがあります。一定口数での買い付けと比較した場合、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待でき、これは投資対象の価格が上昇した際の投資効果を、さらに高めることにつながります。 本例でも明らかなように、積立投資を始める際は投資対象の価格が高いか安いかを気にするよりも、長期的な投資を通じて、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待できる積立投資のメリットを最大限活用することが重要となります。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点
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05/12 09:00
【注目トピック】米国決算まとめ – 全般的にアナリスト予想が引き上げられた
※画像はイメージです。 米国:2024年1-3月期決算レビュー 24年1-3月期は前年同期比+5.1% 5月3日までに、S&P 500 指数構成企業のうち399社が、2024年1-3月期決算(2023年12月-2024年2月期決算企業も含む)を発表しました。LSEGの集計では、同期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比+5.1%の55.78ドルと推定されています。 今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月5日時点の集計では、前年同期比+3.5%の54.95ドルと推定されていました。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 2024年1-3月期は、決算実績がアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)が、引き続き多数を占めています。しかし、売上高については、同比率は直近4四半期平均や長期平均を下回っており、この点は留意したいと思います。 年度EPS予想は全般的に引き上げ 年度ベースでのEPS予想についてみると、2023年の前年比微増益に対し、2024年以降は明確な増益基調が予想されています。 2024年1-3月期決算発表が本格化する直前の2024年4月5日時点の集計と比較すると、2024年以降の年度EPS予想は、各年度とも上方修正されています。 決算発表が始まる前も、2024年以降について米国企業の業績は増益基調となるとはみていたものの、足元の経済環境や地政学的リスクの高まりなどを受けて、慎重に業績を予想していたアナリストが相応いたものとみられます。 しかし、これまでの決算実績は事前予想を上回る企業が多かったため、全般的に業績予想が引き上げられていると推察されます。 今後の留意点 今後は、2024年2-4月期を決算期とする小売企業やソフトウエア企業などの決算発表が始まります。 なお、5月15日には米商務省から4月小売売上高が発表されます。3月は裁量的(生活必需品ではない)品目の構成比が高い業種の売上が低調でした。ウォルマートやホーム・デポなどの決算が発表された際には、足元の業績動向に加え、会社業績予想や経営陣のコメントなどを通して米国の個人消費の動向についても確認し、4月小売売上高と併せて、米国経済への示唆が得られないか、チェックしていきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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05/11 09:00
【オピニオン】円安と日銀の金融政策を巡る関係
※画像はイメージです。 2024年4月29日、ドル円相場は一時1ドル=160円台と34年ぶりの円安水準を更新しました。その直後には本邦通貨当局が為替介入を実施したと見られ、155円を割り込む場面もありました。5月1日には158円近辺で再び為替介入が行われた模様で、5円程度円高が進行するなど、ドル円市場は市場の円安圧力と本邦通貨当局の為替介入との間で変動の激しい相場展開を続けています。 円安ドル高の主因は日米金利差の拡大だと見られますが、足元で円安が加速した契機として、円安に対する植田日銀総裁の様子見姿勢が挙げられます。日銀は4月25-26日の金融政策決定会合で、予想通り政策金利を据え置きました。市場では円安を牽制する意味もあり、国債買入ペースの減額に関する何らかの示唆があるのではないかとの見方もありましたが、この点についても日銀からは特段アナウンスはありませんでした。 会合後の記者会見で植田総裁は、今後の金融政策運営に関して「経済・物価見通しが実現し、基調的な物価上昇率が上がっていくとすれば、金融緩和度合いを調節していくが、当面は緩和的な金融環境が継続すると考えている」と、従来の政策姿勢を繰り返しました。円安に関しては「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと、みなさん(日銀の政策委員)が判断した」と述べ、差し迫った警戒感を示しませんでした。 植田総裁は23年4月の総裁就任以降、円安進行時にタカ派的(金融緩和解除に積極的)な発言を行い、円安をけん制する姿勢を見せてきました。このことから、植田総裁の様子見的発言が、「円安阻止を意図して日銀が早期利上げを実施する可能性は低い」との見方を喚起し、円安につながったと見られます。 日銀は政策判断のと主柱として「基調的な物価上昇率」の動向を据え、この点において足元の円安の影響は小さいと判断しています。輸入物価の前年比上昇率を前回為替介入を実施した2022年と比較すると、足元で輸入物価の上昇率はゼロ近辺にあり、円安による影響をとっても22年時の半分程度であることがわかります。 植田総裁は5月7日、岸田首相との会談後、円安についても協議したことを認め「経済・物価に潜在的に大きな影響を与え得るものであり、最近の円安について日銀の政策運営上、十分注視していくことを確認した」と、やや円安を警戒するトーンを強めました。円安基調に変化が見られなければ、植田総裁の発言はタカ派色が色濃くなる可能性がありそうです。ただし、政策判断においては基調的な物価動向が最重要である点に変わりはありません。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)データは月次で、直近値は2024年3月。円安の影響は契約通貨建てと円建て輸入価格の前年比上昇率の差。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/10 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価4月安値形成後に反発、25日線を上放れるか注目
※画像はイメージです。 ※2024年5月9日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなるか 前週以降の株式市場は、決算発表を材料に個別物色が活発となり、日経平均株価は一進一退で方向感を欠く展開でした。為替市場では当局による為替介入とみられる動きもあり、ボラティリティが高くなっています。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、4月19日安値(36,733円)形成後に反発となり、75日移動平均線(9日:38,417円)を挟んで振れ幅の大きな動きが続いています。GW明けの7日には約1ヶ月ぶりに25日移動平均線(同:38,623円)を終値で回復しましたが、その後は再び大幅反落となりました。 ただ、各種テクニカル指標面に過熱感はなく、この先、再び25・75日線を奪回・上放れとなれば、4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなると考えられます。 一方、戻りが鈍く75日線を下放れて調整が続く場合は、4月19日安値(36,733円)に向けて再度下値を固めにいく展開が想定されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年5月9日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年4月安値にかけての調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えられます。前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%(終値ベース)でしたが、今回の下落率は4月19日安値時点で9.3%(同)に達しており、値幅調整は概ね十分と言えます。一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めません。この先しばらく戻りを抑えられる場面がありそうですが、先行きは再び史上最高値を視野に入れる上昇になると考えられます(図2)。 (注1)直近値は2024年5月9日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 ドル円相場は乱高下 ドルは対円で、日本の祝日である4月29日に一時160円台まで上昇したものの、その後直後と5月2日早朝に為替介入とみられる動きがあり、大幅な円高ドル安となりました。為替介入の可能性に加え、米国の利下げ時期や日銀の利上げ時期を巡り、この先も神経質な展開が続く可能性が考えられます。尚、こちらの記事で使用している日銀公表値のドル円レートは、日本の営業日ベースで作成しており、5月1日につけた157.99円がピークとなりました(図3)。 (注1)直近値は2024年5月8日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 中長期的なトレンドについて、長期月足チャート(日銀公表値ベース)から考えてみましょう(図4)。ドルは対円で、1975年以降は8年前後(83ヶ月~107ヶ月)の周期で主な高値を形成してきました。今年5月高値時点で、前回のサイクル高値(2015年6月)から約9年(108ヶ月)となり、過去5回のサイクルの中で最長の期間となりました。今年5月高値や、この先の高値がサイクル高値となる可能性に注意が必要です。 (注1)直近値は2024年5月8日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 東証REIT指数に変化の兆し 東証REIT指数のチャートについても注目です。東証REIT指数は、今年3月13日安値(1,667pt)形成後に反発しました(図5)。3月19日の日銀によるマイナス金利解除を無難に乗り越え、今年5月に2021年7月高値(2,186pt)から約3年続く下降トレンドライン上まで上昇しました(5月7日終値:1,834pt)。この先、下降トレンドライン(1,830pt前後)を明確に上放れとなれば、年単位の新たな中長期上昇トレンドへ移行する可能性が高まったと捉えられます。 (注1)直近値は2024年5月7日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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05/09 19:00
【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(5/9)
決算発表が本格化、三菱商事やOLCなどが上位に 三菱商事(8058)が2位にランクインしました。同社は5月2日に決算を発表しました。会社の2025.3期の親会社株主利益予想は9,500億円で、野村予想の1兆600億円を下回りました。親会社株主利益予想が前期比微減益となった点はややネガティブな印象です。一方、株主還元について、同期の1株当たり配当金予想を100円に引き上げた点は評価できます。野村予想は82円でした。 オリエンタルランド(4661)が6位にランクインしました。同社は4月26日に決算を発表しました。2024年1-3月期(4Q)の営業利益は238億円で、野村予想の334億円を下回る結果となり、ややネガティブな印象です。主要因としては、人件費や諸経費の上昇が挙げられます。今後の注目点は、2024年6月からの東京ディズニーシー(TDS)の新エリア「ファンタジースプリングス」の開業効果です。 レーザーテック(6920)が7位にランクインしました。同社は4月30日に決算を発表しました。2024年1-3月期(3Q)の受注高は前年同期比2.3倍となり、半導体検査装置とサービスの両面で大きく増加しました。3Qの大幅な受注増は高価な装置の受注タイミングが集中した可能性が高いと推察していますが、受注が底打ちしたという点は好印象です。 住友商事(8053)が10位にランクインしました。同社は5月2日に決算を発表しました。2024.3期の親会社株主利益は3,864億円で、野村予想の5,000億円を大きく下回りました。ニッケルプロジェクトの減損などによる損失処理が膨らんだことが、下振れの要因でした。また、株主還元方針については、総株主還元性向を40%以上とし、累進配当や機動的な自社株買いを実施していく方針が示されました。これは株式市場の期待に応えた形となり、好印象でした。しかし、総株主還元利回りが同業他社と比較して大きな差がなく、利回り面での魅力はそこまで高くないと考えられます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年5月8日時点。 ご投資にあたっての注意点
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05/08 19:00
【銘柄ランキング】投資家に買われた「配当利回り3%以上」銘柄は?(2024年2-4月)
トップ3はアステラス、日本製鉄、JT 2024年2月1日~2024年4月30日の期間で、野村證券の個人口座で買い付けられた銘柄の中から、今期予想配当利回りが2024年5月2日時点で3%以上だった銘柄を抽出しました。約定件数順に上位20銘柄を紹介いたします。 医薬品セクターからは、アステラス製薬(4503)が1位に、武田薬品工業(4502)が6位にランクインしました。アステラス製薬は4月25日に決算を発表し、2025.3期の1株あたり配当金予想が前期の70円から74円へ増配されました。 鉄鋼セクターからは、日本製鉄(5401)が2位に、神戸製鋼所(5406)が12位にランクインしました。4月12日、米国鉄鋼大手のUSスチールの臨時株主総会が開催され、日本製鉄による買収提案が承認され、買収完了の条件を一つクリアしました。また、5月3日には、日本製鉄はUSスチールの買収計画の完了時期を従来の2024年4-9月から、同年7-12月に変更すると発表しました。 銀行セクターからは、みずほフィナンシャルグループ(8411)が5位に、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が10位に、ゆうちょ銀行(7182)が13位にランクインしました。4月26日の日本銀行の金融政策決定会合では政策変更はありませんでした。目下、銀行株は材料不足の状況ですが、年後半以降には再び対TOPIX(東証株価指数)で銀行株が強含むと野村では予想しています。 海運セクターからは、川崎汽船(9107)が9位に、商船三井(9104)が11位に、日本郵船(9101)が15位にランクインしました。イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続き、ハマスを支援するイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船への攻撃リスクが高まっています。スエズ運河の利用が困難な状況にあるため、コンテナ船運賃や自動車船運賃は高止まりしやすいと考えられます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点