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08:41
【野村の朝解説】NYダウ上昇、米PPI受けてインフレ懸念緩和(1/15)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 14日の米国株式市場では、NYダウ及びS&P500が続伸した一方、ナスダック総合は5日続落となりました。朝方発表された2024年12月の米PPI(生産者物価指数)の前月比の伸びは市場予想を下回ったものの、米財政悪化などトランプ次期政権の政策への懸念は根強く、米10年国債利回りが上昇したことで株価の上値は抑えられました。 相場の注目点 本日の日本株は、15日発表の米12月CPI(消費者物価指数)、1月20日のトランプ次期大統領の就任式を控えた警戒感が相場の重石となりそうです。また、23~24日に日本銀行の金融政策決定会合、28~29日にFOMCを控えて、日米の金融政策の方向性を探る展開が予想されます。日本では、氷見野日銀副総裁が14日に行った記者会見で、経済・物価情勢の展望(展望リポート)の経済・物価見通しを基礎に「利上げを行うかどうか議論し、判断したい」と述べました。また、20日にトランプ氏の就任演説での内容を重視している旨の発言が繰り返し行われました。日銀は大統領就任式後の市場動向を確認した上で、利上げに踏み切る可能性が高まっていると野村ではみています。他方、米国では、18日からのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)を前に、多くのFRB高官の講演が予定されています。FRB高官の景気やインフレに対する見解に加え、トランプ次期政権の政策をどの程度見通しに織り込んでいるかが注目されます。 本日のイベント 本日は米国で12月CPIや、1月NY連銀製造業景気指数が発表されます。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年1月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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昨日 18:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(1月第2週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年1月第2週(2025年1月3日~1月10日) 2025年1月月間(2024年12月31日~2025年1月10日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年12月31日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年1月10日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年1月第2週(2025年1月3日~1月10日) 2025年1月月間(2024年12月31日~2025年1月10日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年12月31日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年1月10日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年1月10日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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昨日 16:27
【野村の夕解説】米ハイテク株安を受けて、日経平均は大幅下落 716円安 (1/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 10日(金)の米国株式市場では、12月の非農業者部門雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことによるFRBの利下げ観測後退を受けて、主要3指数が揃って大幅下落しました。13日(月)には、米政権がAI向け半導体に関する輸出規制の見直し案を公表したほか、サーバーラックの過熱問題などを背景に、エヌビディアの主要顧客が同社への注文を遅らせていると報じられました。これらを受けて、国内株式市場では、半導体関連株を中心に幅広い銘柄が下落しました。10:30に日銀の氷見野副総裁が経済懇談会で挨拶しました。追加利上げに関して、「政策委員の間で議論し、判断したい」と発言するに留めたことから、株式市場への影響は限定的でした。前日までの米国株式市場の動向により強く影響を受け、日経平均株価は前週末比179円安の39,010円で寄り付いた後、午前中にかけて下げ幅を拡大しました。その後は本日の安値圏で推移し、大引けは前週末比716円安の38,474円となりました。個別銘柄では、エヌビディアを主要取引先とするアドバンテストが前週末比-9.21%となり、1銘柄で日経平均株価を251円押し下げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国ではカンザスシティー連銀シュミッド総裁、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁の講演が予定されています。好調な米国景気を示す経済指標に対する、FRB高官の評価に注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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昨日 08:18
【野村の朝解説】強い雇用統計受け米株・米債とも下落(1/14)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 10日の米金融市場では、12月の非農業部門雇用者数が前月比+25.6万人増と市場予想(同+16.5万人増)を上回り、失業率が4.1%へ低下する強い結果となったことから、10年国債利回りは4.76%へ上昇(価格は下落)、米国株式市場では主要3指数が揃って前日から1.5%以上下落しました。為替市場では米ドルが円を除くG10通貨に対して上昇しました。13日には、NYダウが反発、S&P500も引けにかけて値を戻し前日比ほぼ変わらずで引けた一方、ナスダック総合は続落しました。為替市場では米ドルが続伸する中で、クロス円の強さが目立っています。 相場の注目点 10日の市場の反応は、米国景気の堅調が背景であったとしても、長期金利の上昇に対する米国株式市場の警戒感が高いことを示しました。一方、長期金利の上昇余地も金利上昇に対する株価の耐性に左右されそうです。市場の利下げ観測は25年中の利下げが1回程度まで後退しました。FRB内では利下げペースの減速では概ね見解が一致しているものの、利下げ打ち止めまでには更なる根拠が必要だとの意見が見られます。14日に12月PPI、15日にCPI統計の発表が予定されており、市場ではインフレの鈍化傾向の停滞を示すと予想されています。加えて、今週は多くの地区連銀総裁の講演が予定されていることから、一連の経済指標に対するFRB高官の評価が注目されます。また、今週から大手金融機関を皮切りに24年10-12月期決算が本格的に始まります。 本日のイベント 本日は氷見野日銀副総裁の講演が予定されています。市場の利上げ期待が5割程度まで回復する中で、今後の政策運営に関してどのようなメッセージを発するのかが注目されます。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年1月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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01/13 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅢ:第4回 他にもある、騰落幅から導く計算値
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は主に、「E計算値」「NT計算値」について、説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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01/12 12:00
【銘柄特集】2024年12月IPO銘柄のパフォーマンス
2024年12月のIPO銘柄のパフォーマンスを紹介します。 12月IPO銘柄のパフォーマンス 12月4日 上場TMH(280A)市場区分:グロース事業内容:半導体製造装置部品の販売・修理サービス及び半導体製造装置の買取・売却支援 12月9日 上場インフォメティス(281A)市場区分:グロース事業内容:エナジー・インフォマティクス事業(エネルギー関連データを独自のAI で解析して省エネルギーと快適生活の実現をするスマート・リビングサービス、エネルギーの運用効率の最適化を実現するエネルギー・マネジメントサービス、エネルギーデータ等を利活用した新サービスの創出) 12月12日 上場ユカリア(286A)市場区分:グロース事業内容:医療法人の経営支援、高齢者施設の運営・紹介、コンタクトレンズの製造・販売等 12月13日 上場ラクサス・テクノロジーズ(288A)市場区分:グロース事業内容:ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリング事業 12月17日 上場黒田グループ(287A)市場区分:スタンダード事業内容:・液晶ディスプレイ用印刷版、自動化設備、樹脂成形金型、HDD 用部品、電力・電設資材、アルミダイカスト製品の製造・販売およびプリント回路基板の設計・受託開発・エレクトロニクス業界および自動車業界への電子部品、電気材料等の販売 12月17日 上場リスキル(291A)市場区分:グロース事業内容:人材育成事業 12月18日 上場キオクシアホールディングス(285A)市場区分:プライム事業内容:メモリ及びSSD 等関連製品の開発・製造・販売事業等を営むグループ会社の経営戦略策定及び管理 12月19日 上場Synspective(290A)市場区分:グロース事業内容:小型SAR 衛星の開発・運用からSAR データの販売とソリューションの提供 12月19日 上場dely(299A)市場区分:グロース事業内容:「クラシル」、「クラシルリワード」をはじめとする複数のスマートフォンアプリ及びWebメディアの運営。そのほか、人材プラットフォーム事業及びクリエイターマネジメント事業の運営を行う 12月23日 上場令和アカウンティング・ホールディングス(296A)市場区分:グロース事業内容:上場会社を中心とする大企業に経理の日常業務、決算、連結、開示、M&A支援などを、高度な専門的知識を有した人材がチームで一気通貫のサポートを実施し、長期間継続した関係を構築 12月23日 上場日本オーエー研究所(5241)市場区分:ネクスト事業内容:システム開発及び関連サービス 12月25日 上場アルピコホールディングス(297A)市場区分:スタンダード事業内容:小売、運輸、観光の各事業を中心とした企業グループの企画、管理及び運営 12月25日 上場MIC(300A)市場区分:スタンダード事業内容:リテール販促における総合支援事業(業務改善コンサルティング、販促物の印刷/製造、フルフィルメント、システム開発、BPO、クリエイティブデザイン、フィールドサポート等) 12月26日 上場GVA TECH(298A)市場区分:グロース事業内容:リーガルテックサービスの開発・提供 12月26日 上場visumo(303A)市場区分:グロース事業内容:ビジュアルマーケティングプラットフォームの開発及びサービス提供 12月26日 上場フォルシア(304A)市場区分:グロース事業内容:膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に探し出す検索テクノロジーを基にしたシステム開発・サービス提供並びにコンサルティング 12月27日 上場ビースタイルホールディングス(302A)市場区分:グロース事業内容:派遣・紹介事業、メディア事業、DX事業、その他事業を営むグループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務 (注1)初値及び直近月末終値が公開価格に対して上回っているものは赤、下回っているものは青で表示。(注2)TOKYO PRO Marketの新規上場会社は含まれない。(注3)全てを網羅しているわけではない。(出所)日本取引所グループのウェブサイト、各新規上場会社の有価証券届出書等公表情報を基に野村證券作成 1月IPO銘柄の紹介 1月のIPO銘柄はありません。 (注1)TOKYO PRO Marketの新規上場会社は含まれない。(注2)全てを網羅しているわけではない。(注3)新規IPO銘柄は、前月末時点での予定。(出所)日本取引所グループのウェブサイト、各新規上場会社の有価証券届出書等公表情報をもとに野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/12 09:00
【注目トピック】米決算シーズンを経て増益率が加速するかをチェック
※画像はイメージです。 米国:2024年10-12月期決算プレビュー 10-12月期は前年同期比+8.1%予想 1月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年10-12月期の決算発表が本格化します。2025年1月3日時点の調査会社LSEG集計による市場推定・予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+8.1%と推定されています。2024年7-9月期の同+8.4%と比べ、増益率が若干鈍化する見込みとなっています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)2025年1月3日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年10-12月期には、2024年9-11月期決算、2024年11月-2025年1月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)2025年1月3日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年10-12月期には、2024年9-11月期決算、2024年11月-2025年1月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 2024年7-9月期は、同期の決算発表が本格化する直前の2024年10月4日時点の集計では同+4.1%と予想されていました。しかし、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が高かったことで、実際には前述の通り同+8.4%まで拡大しました。2024年10-12月期も同様の傾向が続けば、現時点での予想よりは高い増益率で着地する可能性が考えられます。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2023年7-9月期~2024年4-6月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2024年12月13日時点(売上高について496社、純利益について496社)の集計。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 アナリスト達は慎重に見直している模様 リビジョンインデックスの動向をみると、2025年1月1日時点では、FY1(予想1期目)は0.82、FY2は0.85となっています。決算発表を前に、アナリスト達が業績予想を慎重に見直しているとみられます。 (注)S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。直近値は2025年1月1日時点。FY1は予想1期目(12月決算企業の場合、2024年12月期)、FY2は予想2期目(12月決算企業の場合、2025年12月期)。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 決算発表時の注目点 次に、年度ベースについてみると、前回の四半期である2024年7-9月期決算の発表直前の10月4日時点の集計と比べ、2024年は上方修正されていますが、2025年、2026年は下方修正となっています。ただし、下方修正されているとはいえ、2024年以降も、増益基調が続く予想となっています。 再び四半期決算についてみると、2025年1-3月期については前年同期比+11.0%と予想されています。そして、2025年4-6月期以降も、前年同期比二桁増益と予想されており、2024年7-9月期、2024年10-12月期よりも増益率が加速する予想となっています。 今後、決算発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、会社業績見通しや、経営陣の事業環境に関するコメントなどから、今後の業績動向を見極めていきたいと考えます。そして、決算発表を受けて、今後、増益率が加速する見込みとなっている市場予想平均の業績予想がどのように変わるか、注意してみていきたいと考えます。 (注)2025年1月3日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。[ ]内の数値は、2024年10月4日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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01/11 19:00
【来週の米国株】追加関税の米国株への影響はどの程度か?(1/11)
※執筆時点 日本時間1月10日(金)12:00 今週:AI普及の期待感高まるも金利上昇が重石 ※1月3日(金)- 1月8日(水)3営業日の騰落 AI普及拡大への期待が株価を押し上げる場面もありましたが、米長期金利(10年国債利回り)上昇が重石となりました。 5日(日)に公表された鴻海精密工業の2024年10-12月期の売上高とその後の業績見通しが良好だったことや、米国ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジー見本市「CES2025」の基調講演に登壇するエヌビディアのジェンスン・ファンCEOへの期待感などから週前半はテクノロジー株が株価をけん引しました。しかし、トランプ次期大統領が関税政策をこれまでの発言通り実行する旨の発言があったことなどから、インフレ再燃懸念が広がり米長期金利は前週末の4.5%台から4.6%台へと上昇し、株価の重石となりました。(編注:執筆時点は10日(金)の12月雇用統計の発表前)。 追加関税の米国株への影響はどの程度か 1月20日にトランプ新大統領が就任します。野村では、新政権が重視する政策の一つである追加関税によって米国株が受け得る影響を分析した結果、一定の仮定の下ではEPS(一株当たり利益)が4年間で数%~20%程度押し下げられると試算しています。 関税政策の米国株式市場への影響としては、2つの経路が考えられます。1つが①輸入物価上昇などコスト増加を通じて関税対象国からの原材料・部品調達の多い銘柄を中心に株価が下落する影響、もう1つが②景気減速懸念を通じてシクリカル銘柄を中心に株価が下落する影響です。 第1次トランプ政権では②の影響が中心でした。一方、関税の主な対象が中国の一部品目に留まったこともあり①については大きな悪影響は観察されませんでした。ただ、第2次トランプ政権では中国に対する大幅な追加関税や、中国以外も含めた全世界に対する追加関税の可能性も懸念され、いずれの経路も想定しておく必要があります。 ブルームバーグの市場予想では、2025年10-12月期EPS(一株当たり利益)が前年比+16.6%となることが予想されています。この予想にどこまで関税の影響が織り込まれているかは定かではありませんが、米大統領選挙以降、米国株が総じて堅調であることを踏まえれば、現在の市場は楽観的(関税の影響はない)と推察されます。次の2つのシナリオにおける野村の試算は以下です。 Ⅰ.対中で+40%ポイントの追加関税が課された場合 ②の影響が大きくなりますが、第1次トランプ政権と同様に①が主な経路となるため影響は限定的で、EPSが4年間で4.7%ポイント押し下げられる計算です。この場合、年あたりで見れば増益基調は維持されるとも考えられます。 Ⅱ.「Ⅰ」に加え、対世界で+10%ポイントの追加関税が課された場合 上記に加え①の影響が大きくなり、EPSが4年間で20.8%ポイント押し下げられる計算です。複数年にわたって増益率が大きく下振れる可能性が警戒されやすくなります。 こうした試算は仮定に基づくものであるため、実際に影響がどの程度生じるか不透明感は高いものの、関税の対象が広がる場合には一旦は米国株の下落リスクに注意が必要となると想定されます。 来週①:15日(水)の12月CPI 米長期金利が再び上昇しており、その動向には引き続き注意したいと考えます。経済指標では12月CPI(消費者物価指数、15日)が注目されます。 12月コアCPI(食料・エネルギー除く)の市場予想は前月比+0.2%(11月同+0.3%)と、減速が予想されています。前回11月分では自動車が大きくプラスに寄与しました。今回については、先行指標の中古車価格が減速していることから、自動車のプラス寄与は一旦縮小すると想定されます。一方、前回11月分では家賃が大きめに減速し、新型コロナ危機以前の伸びにまで戻りました。今回12月分では反動が生じる可能性もあります。サービスに先行する傾向のある中小企業販売価格計画DI・人件費計画DIはここ数ヶ月上昇しており、家賃やサービスが再加速すれば、12月分は市場予想を上回ることも考えられます。 来週②:10-12月企業決算が本格化 米主要企業の2024年10-12月期決算の発表が本格化します。金融がスターターとなり、15日(水)のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどに注目が集まります。発表された際には、会社業績見通しや経営陣の事業環境に関するコメント等から、今後の業績動向を見極めていきたいと考えます。 また、20日(月)のトランプ氏の大統領就任が近づき、次期政権での政策についての情報発信が一段と活発化することも考えられ、留意したいと思います。 (投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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01/11 09:00
【オピニオン】日経平均の「PER16倍」は割高のシグナルだったのか
※画像はイメージです。 2024年は日経平均株価が2月22日に終値ベースで約34年ぶりに資産バブル期の史上最高値を更新し、3月4日に史上初の4万円台超え、7月11日には42,224.02円(終値)を記録しました。ちなみに、TOPIXの史上最高値更新は、2024年7月4日で、過去最高値は7月11日の2,929.17ポイント(終値)でした。 2024年当時の背景を振り返ると、2月21日に米半導体大手エヌビディアが好決算を発表したことや、7月11日に為替介入が実施されるまでは、1米ドル=161円台の円安下にあったことが象徴的です。 12ヶ月先予想PER(株価収益率、以下、PER)は、2023年12月の14倍台から2024年2月に16倍台へと切り上がりました。PERは、株式市場の期待が強まる局面で高まりやすく、企業業績の安定性や成長性への信頼のバロメーターとみなせます。一方、経験的な水準からの上方乖離は、株価の割高さを示すとも言われます。PER16倍は割高のシグナルでしょうか。それとも、妥当な水準だったのでしょうか。 2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」で、コーポレート・ガバナンスの強化が成長戦略と位置付けられ、約10年後の2023年3月に、東京証券取引所は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」、所謂「東証要請」を公表しました。 そこでは、資本コストや資本収益性を様々な指標を使い経営者自らが主体的に分析・評価した上で、要請に取り組むことが求められています。結果として、PERやPBR(株価純資産倍率)などにみる市場評価が高まることが期待されています。 上記の2024年に日経平均株価が史上最高値を更新し、PERが上昇した時も、企業の取り組みが評価された結果との市場の評価もありました。もし、それが実現されるならば、日本株市場のPERの切り上り後の水準は、維持され得たとみるべきです。 2025年は米国のトランプ新政権の発足による政策の不透明さ、日本では少数与党政権や日銀による利上げの可能性など、株価のボラティリティー(変動率)を高め、PERを下げる可能性のあるイベントが多々あります。しかし、東証が要請するのは、外部要因に寄らない、企業のたゆまぬ価値向上への努力と、それによる市場が株価で示す確固たる評価です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)データは月次で、月末値。直近の値は2024年12月。(出所)日本経済新聞社、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点