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41分前

【オピニオン】米金融株決算、トランプ政権の政策による影響を総合的に評価へ

※画像はイメージです。 米国大手金融5社の2025年1-3月期決算は、各社とも純収益や収益、1株当たり利益が前年同期比で増加し、市場予想を上回りました。このため、決算発表当日の各社の株価は上昇しました。 以下は実績のポイントです。 ① 株式トレーディングは堅調、株式引受は軟調② 運用堅調(手数料、資金流入の増加)  ③ 純金利収益の会社見通しは堅調 市場の値動きが大きかったことを受けて顧客アクティビティが活発で、株式トレーディング収益が高水準でした。一方で、事業会社が意思決定を延期した影響で株式引受は軟調でした。顧客が投資内容を見直したことから資産運用も概ね堅調でした。 純金利収益については、JPモルガン・チェースが25年12月期通期の見通しを引き上げました。また、バンク・オブ・アメリカは、ローンや運用資産の残高増加と利回り上昇の恩恵が、利下げの悪影響を上回ると分析し、同社の25年10-12月期純金利収益見通しは市場予想を上回りました。シティ・グループを加えた米大手3行合計の純金利収益の市場予想は24年末時点から上方修正されています。 (注)米大手銀行3行は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティ・グループ。純金利収益実績のデータは四半期毎で、直近値は2025年1-3月期時点、また、2025年4-6月期以降はLSEG集計による市場予想平均。米10年国債利回りのデータは日次で、直近値は2025年5月6日時点。(出所) LSEGより野村證券投資情報部作成 以下は各社の経営陣によるトランプ政権の政策に関するコメントの共通点です。 ①トランプ関税によるマイナス面は大きい②税制改革や規制緩和のプラス面と、関税を併せて評価する 各社は、トランプ関税が、景気への不透明性、市場の混乱、企業の資金調達を含む意思決定の先送りなどのマイナスの影響を与えたと認識した上で、大統領選挙時の公約で今後実施が予想される税制改革(トランプ減税延長、法人税減税など)や規制緩和などのプラスの影響と併せて評価する姿勢を示しました。 金融規制緩和については、補完的レバレッジ比率(SLR=Supplementary Leverage Ratio)算定からの米国債の除外が検討されています(注)。実施された場合、貸出や米国債需要の増加が期待されます。 下図のように、各社の株価はトランプ関税を受け25年に入り一旦は下落しました。今後は、純金利収益の増加や、政策のプラス面が注目されます。 (注)データは日次で、直近値は2025年5月6日時点。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)SLRは、自己資本規制の一つ。中核的自己資本(ティア1)を有価証券保有額で割った数値で、最低基準は5%。有価証券を追加で保有する際にその5%の自己資本の増額が必要となる。FRBはコロナ禍に対応して、20年4月にSLRを1年間の期間限定で緩和し、比率の分母から米国債と準備預金を外すことを認めた。2025年4月15日にフォルケンダー米財務副長官が米国債の除外措置を検討中とコメントした。 ご投資にあたっての注意点

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