決算概要

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間7月25日引け後に、「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフト(MSFT US)が2023年4-6月期(2023.6期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.3%上回り、EPSは市場予想を5.5%上回りました。
クラウドの成長加速と、PC市場の回復には時間が必要か
会社の2023年7-9月期の売上高見通しは市場予想に対して、ビジネスソフト部門が上回った一方、クラウド部門とPC・ゲーム部門は下回り、全体でも下回りました。PC市場の回復が遅れていることや、クラウドでは生成AIの業績貢献には時間がかかるため、市場期待をやや下回ったと推察致します。一方、ビジネスソフト部門は、実績・見通しとも市場予想を上回るペースで拡大しており、7月18日に生成AIツール「Microsoft 365 Copilot」を月額30ドル(Microsoft 365の料金に追加)で提供すると発表するなど、生成AIの恩恵を最も享受すると期待できる部門と考えます。
売上高とEPSの推移


株価は下落
マイクロソフトの株価は、前日比1.70%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比3.41%安の339.00ドルで推移しています(NY時間18:12)。7-9月期の売上高見通しが市場予想を下回ったためと考えます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。売上高見通しの全社は、部門の売上高中間値の合計。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月25日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。2023年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月24日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)