
2025年1-3月期(2025.12期第1四半期)

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間5月1日引け後に、イーコマースやメディアサービス、AI・クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコム(AMZN US)が2025年1-3月期(2025.12期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.4%上回り、EPSは市場予想を16.7%上回りました。
会社の2025年4-6月期売上高見通しは市場予想を上回りました。
トランプ関税を前に日用品の購入増加、AWSは供給制約が継続も受注堅調
会社はトランプ関税に関して、日用品を中心に発動前の駆け込み需要がみられたとコメントしました。また、販売業者が在庫を前倒しで増やしたため、関税による値上げは後ずれしていると説明しました。
AWSの売上高実績は市場予想を下回りました。一方で会社は、AWSの受注残は前年同期比で約20%増と、需要が売上高実績の増加率を上回っており、AI用半導体の供給制約を念頭に年後半に容量を増やす計画であるとコメントしました。
売上高とEPSの推移


株価は時間外取引で下落
アマゾン・ドットコムの株価は、前日比3.13%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比2.30%安の185.82ドルで推移しています(NY時間19:09)。AIの利用拡大の観点から注目されたAWSの売上高実績が市場予想をやや下回ったことや、トランプ関税に対する不確実性を払拭するようなコメントが無かったことに反応していると考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2025年5月1日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2025年1-3月期(2025/3)。2025年4-6月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2025年4-6月期以降の予想は2025年4月30日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)