
2025年4-6月期(2025.12期第2四半期)

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間7月31日引け後に、イーコマースやメディアサービス、AI・クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコム(AMZN US)が2025年4-6月期(2025.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を3.5%上回り、EPSは市場予想を26.4%上回りました。
AWSの実績は一部の高い期待に届かず、小売は好調
AI・クラウド関連で注目されたAWSは、この分野で競合するアルファベットやマイクロソフトが好調な内容を発表した後であるため、売上高の市場予想を上回る幅が一部投資家の高い期待より小さかった印象です。一方で会社は、AWSのAIに対する需要が供給を上回っている、と説明し、設備投資額を2025年1-3月期の243億ドルから、2025年4-6月期は314億ドルに増加させました。
小売事業は関税の影響などが懸念されましたが、北米および北米以外の両市場で前年比二桁成長を達成し、市場予想を上回りました。
売上高とEPSの推移


株価は時間外取引で下落
アマゾン・ドットコムの株価は、前日比1.70%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比7.65%安の216.20ドルで推移しています(NY時間17:59)。決算発表前に株価が上昇していたことや、一部の高い期待に届かなかったためと考えられます。今後は、設備投資の成果などが注目されます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2025年7月31日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2025年4-6月期(2025/6)。2025年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2025年7-9月期以降の予想は2025年7月30日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)