来週の注目点:FOMCに向けて地区連銀総裁発言や経済指標に注目

ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の発言が懸念したほどタカ派的(利上げに積極的)ではなかったとの見方や、足元の弱い経済指標を受けてFRBが政策金利を当面据え置くとの期待が高まり、前週の米国株は堅調に推移しました。
次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)は9月19日-20日に開催されます。パウエル議長は政策決定は経済データ次第という姿勢を維持しており、今後の金融政策を占う上で米経済指標に引き続き注目が集まります。9月6日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、8月ISMサービス業景気指数が発表されます。また、6日(水)や7日(木)には地区連銀総裁の講演が複数予定されています。経済指標に加え、地区連銀総裁の発言に市場が注目する展開が見込まれます。

中国では、9月5日(火)に8月財新版・サービス業PMI、7日(木)に8月貿易統計が発表されます。コロナ禍後の旅行関連の繰延需要がサービス消費を下支えすると考えられます。一方、国内外の財需要の落ち込みから輸出入がさらに落ち込むリスクには注意が必要です。

日本では、9月8日(金)に8月景気ウォッチャー調査が発表されます。7月は猛暑により夏物商品の売れ行きが好調だったことが小売りの景況感改善につながりました。8月については、新型コロナの5類への移行に伴うイベント等の開催が人出の増加要因となる一方、猛暑が外出の減少につながっている模様です。
その他には、9月4日(月)-7日(木)にASEAN関連首脳会議がジャカルタで開催されます。東京電力福島第一原発処理水の海洋放出に関し反発する中国と日本の接触があるか注目されます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)
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