食料品では「先行き」業況判断DIの改善が相対的に大きい

日本銀行が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業の「先行き」の業況判断指数(DI)は、全産業で16%ポイントと6月調査比で2%ポイント改善しました。業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値です。

「先行き」業況判断DI(全産業)の前回調査比の変化は、(アナリストによる業績予想の上方修正から下方修正の割合を引いた)「リビジョン・インデックス」(TOPIX構成銘柄)に対して1四半期先行する傾向があります。つまり、業況判断DIの改善が続いていることは、2023年度第2四半期決算(Q2)を経たアナリスト予想の修正が引き続き上方修正優位となることを示唆しています。

業種ごとの強弱はどうでしょうか。「先行き」業況判断DIの前回調査比での改善幅を業種ごとに見ると、改善幅が大きかったのは、石油・石炭製品、食料品、不動産、電気・ガス、宿泊・飲食などでした。必ずしもすべての業種において、業況判断DIの変化がリビジョン・インデックスに先行するわけではありません。上述した業種の中では食料品で先行性が見られてきました。

業況判断DIの悪化幅が相対的に大きかった業種は、木材・木製品、対個人サービス、電気機械などでした。これらのうち、業況判断DIの変化がリビジョン・インデックスに先行する傾向があるのは電気機械です。なお、短観における電気機械には電子部品や電子デバイスが含まれていますが、同業種では在庫調整が進展したというポジティブな側面もあります。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年10月5日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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