決算概要:2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間10月13日寄り前に、金融持株会社であるJPモルガン・チェース(JPM US)が2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)決算を発表しました。純収益は市場予想を2.7%上回り、EPSは市場予想を13.7%上回りました。
金利上昇が追い風、消費者信用の悪化懸念が和らぐ
会社は、2023年12月期通期の市場部門を除く純金利収入の見通しを、従来の870億ドルから890億ドルへ上方修正し、米国の金利上昇が業績に追い風となったとコメントしました。また会社は、通期のカードサービスの純貸倒率見通しを従来の2.6%から2.5%へ引き下げ、貸倒額が想定を下回ったことや分母にあたるカードローン残高の増加を理由として挙げました。
一方で、株式市場部門の純収益は、前期比、前年同期比で減少しました。
純利益とEPSの推移
株価は上昇
JPモルガン・チェースの株価は、前日比1.50%高で引けました。
会社は純金利収入の増加や低い純貸倒率は一時的で今後正常化するとコメントしたものの通期の業績見通しが上方修正されたことが株価の上昇につながったと推察されます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。EPSは、市場予想との比較のため本社部門の投資損失を除いた値で、報告書の実績値は4.33ドル。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年10月13日時点。
(注3)純収益とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年7-9月期(2023/9)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年10-12月期以降の予想は2023年10月12日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)
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