来週の注目点:米金融政策と懸念強まる中国の景気動向に注目

引き続き米国経済や金融政策、減速懸念が強まる中国景気の先行きが注目されます。FRB(米連邦準備理事会)は長期金利の大幅上昇に伴う引き締め効果を考慮して年内利上げ見送りの公算が大きくなっていますが、引き続き雇用など実態経済の上振れの可能性に目配せをしています。今週に複数予定されている地区連銀総裁の講演に注目が集まります。  

米国の経済指標では、14日(火)に10月のCPI(消費者物価指数)、15日(水)に10月PPI(生産者物価指数)が発表されます。コアCPIが前月比+0.3%を下回る上昇率に落ち着けば市場の安心感につながりそうです。また、15日(水)に11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高、16日(木)に10月鉱工業生産、17日(金)に10月住宅着工・建設許可件数など重要統計の発表が相次ぎます。

中国では15日(水)に10月小売売上高、鉱工業生産、1-10月固定資産投資、不動産投資などの主要月次経済統計が発表されます。不動産など構造要因を抱える中で製造業の循環的な回復や、政府による消費喚起策やインフラ投資などの効果がどの程度現れるかに注目です。  

ユーロ圏では、14日(火)にドイツの11月ZEW景況感調査が発表されます。ドイツの景況感に底打ちの兆しが見えれば相場の下支えとなると見られます。

日本では、15日(水)に7-9月期実質GDP(1次速報値)、10月訪日外国人客数、16日(木)に9月機械受注と10-12月期見通しが発表されます。野村證券では、7-9月期実質GDP成長率は前期比年率+1.3%(市場予想は同-0.5%)と、4四半期連続の拡大になると予想します。      

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年11月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点