年初来安値更新銘柄がランキング急浮上、押し目買いか

前月(10月)から順位を上げた銘柄の中では、足元の株価が軟調な銘柄が目立ちました。これらの銘柄に対して、逆張り志向の強い投資家による所謂「押し目買い」が行われた可能性があります。今回は11月以降に年初来安値(終値ベース)を更新した銘柄を中心に見てみましょう。

3位にランクインしたのは前月ランキング圏外のライオン(4912)です。同社が11月7日に発表した2023年7-9月期の事業利益は、前年同期比23%減の62億円と低調でした。その主な要因としては、国内の一般消費財が大きく落ち込んだことが挙げられます。この決算発表後にライオンの株価は急落し、11月8日に年初来安値を更新しました。

6位にランクインしたのは前月15位のアステラス製薬(4503)です。同社は11月1日に決算を発表し、目の疾患治療薬「アイザーヴェイ」の立ち上がりが順調であったことが確認されました。しかし、米バイオ医薬品企業アイベリック・バイオの買収等に伴う無形資産の償却費が発生したことを背景に、2024年3月期の営業利益計画を下方修正しています。この決算発表後にアステラス製薬の株価は急落し、12月8日に年初来安値を更新しました。

13位にランクインしたのは前月ランキング圏外の資生堂(4911)です。同社は11月10日に決算を発表し、2023年12月期の営業利益予想が前期比32%減の350億円に下方修正されました。中国・海南島での転売規制の強化による在庫調整の影響などがありました。この決算発表後に資生堂の株価は下落し、12月8日に年初来安値を更新しました。そのほかの企業では、前月26位から14位まで順位を上げた住友化学(4005)も12月8日に年初来安値を更新しています。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは2023年12月8日時点。

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