円高の持続性は米国景気の勢いに依存

野村證券では、FRB(米連邦準備理事会)が2024年6月から利下げを開始すると予想しています。さらに、2024年7-9月期には米国が景気後退入りして、9月以降は利下げのペースが加速すると見ています。また、バランスシートの正常化(量的引き締め、QT)については、9月に停止されると予想しています。

日本銀行の金融政策については、マイナス金利の解除を2024年1月、YCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の撤廃時期を2024年4-6月期、特に4月が有力と予想しています。

これらを踏まえて、外国為替市場では2024年に円の買い戻しが全面的に進むと予想しています。ただし、高水準の日米金利差が続く中で、円高の進行ペースは比較的緩やかになると考えられます。野村證券は、2024年12月末のドル円相場を1ドル=135円と予想しています。

ただし、仮に米国景気が野村予想よりも底堅さを維持し、景気後退入りを回避した場合は、明確な円高・ドル安へのトレンド転換には至らない可能性があります。その際は140円前後が押し目買いの好機になると考えられます。ドル円相場を占ううえで、米国景気の強弱を見極めることが重要になるでしょう。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

参考アナリストレポート

国際金融為替ウィークリー – 日銀マイナス金利解除期待で円急騰(2023年12月11日配信)」

(注)各種データは2023年12月11日時点。画像はイメージ。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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