海外市場の振り返り

26日のNY株式市場でNYダウ、S&P500、ナスダック総合の主要3指数ともに小幅に反落しました。エヌビディア(NVDA)の上昇が続いたほかクアルコム(QCOM)、マイクロン・テクノロジー(MU)など半導体関連株には強含む銘柄が目立ち、生成AI(人工知能)関連企業の成長期待は引き続き相場を下支えました。NYダウは続伸して始まり、上げ幅は100ドルを超える場面もありました。しかし、連日で史上最高値を更新した反動から利益確定売りに押されたほか、今週29日の2024年1月米個人消費支出(PCE)や来週3月6、7日のパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の半期に一度の議会証言は、FRBの利下げ開始時期を探るうえで注目度が高く、内容を見極めたいという思惑などから、徐々に上値が重くなりました。

相場の注目点

米景気のソフトランディング(軟着陸)とインフレの鎮静化、そしてFRBの利下げ転換への期待は足元の米株相場の支援材料となっています。加えて、市場を牽引するAIブームへの期待は、市場予想を上回る決算を経て当面維持されるとみられます。今週は複数の米地区連銀総裁等の講演が予定されているほか、来週にはパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言が予定され、利下げ開始要件を探るべく発言内容が注目されます。米景気のソフトランディング見通しが強まるなか、市場では一時2024年中に6回(累計1.5%ポイント)以上織り込まれていた米利下げ期待は3-4回(累計0.75-1.00%ポイント)程度まで低下しています。また、為替市場では、米利下げ期待の後退と本邦当局への介入警戒感から、ドル円相場は150円前後での高止まりが続いています。米決算発表が一巡しつつあるなか、NY株式市場では経済指標と金融政策の行方に注目が集まります。

(投資情報部 引網喬子)

(注)データは日本時間2024年2月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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