(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

10日の米国株式市場で、NYダウは8日続伸となり4万ドルが再び視野に入った一方、ナスダック総合は小幅に反落となりました。米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げの観測を背景に主要3指数は上昇して始まりましたが、その後は失速し前日引け値付近で小動きが続きました。引けにかけては生活必需品や公益などディフェンシブ銘柄が買われ、堅調な値動きとなりました。この日発表された経済指標では、5月のミシガン大学消費者マインド(速報値)が67.4と市場予想(76.2)を大きく下振れ、昨年11月以来の低水準に落ち込みました。1年先の期待インフレ率および5-10年先の期待インフレ率がいずれも市場予想を上回り、消費者心理の重石になったと見られます。発表を受けて米10年国債利回りは4.5%付近にまで上昇、米国のインフレの鎮静化には時間がかかり、FRBによる利下げ開始が遅れるとの見方が広がりました。

相場の注目点

米国では今週は14(火)に4月生産者物価指数、15日(水)に5月NY連銀製造業景気指数、4月消費者物価指数、4月小売売上高、16日(木)に4月住宅着工・建設許可件数、4月鉱工業生産など、重要指標の発表が相次ぎます。足元では雇用や景況感関連など一部の経済指標が下振れるなか、インフレの緩やかな減速と景気堅調が共存する軟着陸の実現が容易でないことが、改めて意識されています。FRB議長は、利下げはデータ次第との姿勢を崩しておらず、米金融政策の先行きを見極めるうえで引き続き経済指標に注目が集まります。日本では、15日(水)に4月訪日外国人客数、16日(木)に2024年1-3月期実質GDP成長率(1次速報)が、景気支援策への期待が高まっている中国では、17日(金)に4月小売り売上高・鉱工業生産、1-4月固定資産投資、不動産投資が発表されます。

(投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2024年5月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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