(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

6日の米主要3指数は、まちまちの展開でした。朝方発表された週間新規失業保険申請件数が22.9万件と、市場予想の22万件を上回りました。前日発表された5月ADP雇用統計に続き、労働市場の鈍化が示唆されたことで、FRBによる利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退し、株式市場を下支えしました。NYダウは小幅上昇した一方、前日AIに対する成長期待などから上昇が目立った半導体などハイテク関連株が下落したことから、ナスダック総合指数は4営業日ぶりに反落しました。米国株式市場は、7日に5月雇用統計の発表を控え、その内容を見極めたいとして小幅なレンジでの値動きとなりました。

相場の注目点

米国市場では、FRBによる早期利下げへの期待が回復しています。今週は、5日にカナダ中央銀行が利下げに踏み切り、6日にはECB(欧州中央銀行)が4年9ヶ月ぶりとなる利下げを決定しました。先進各国で利下げが相次ぐ中、来週のFOMC(11-12日)に対する市場の関心が高まっています。本日米国では、FRBの金融政策の動向を見極める上で重要となる5月雇用統計が発表されます。5月雇用統計の非農業部門雇用者数は、概ね4月並みの前月差+18.0万人が市場で予想されています。今会合では政策金利は据え置きが市場コンセンサスですが、雇用統計の結果を受けて、年後半の利下げ期待が一段と回復するか、注目されます。

本日のイベント

日本では、4月全世帯家計調査や4月景気動向指数が発表されます。海外では、中国の5月貿易統計が発表されるほか、インドとロシアで金融政策決定会合が開催されます。いずれも金融政策を据え置くとみられます。

(投資情報部 澤田 麻希)

(注)データは日本時間2024年6月7日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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