(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

20日の米国株式市場では、NYダウが上昇した一方、ナスダック総合は8営業ぶりに反落し、S&P500も小幅に下落しました。朝方発表された米経済指標は、週間新規失業保険申請件数では雇用の軟化が示され、6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数では製造業の景況感が悪化した一方で仕入・販売価格が上昇し、根強いインフレと景気減速を意識させる内容でした。一方、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁からのタカ派的な発言を受けて利下げ期待が若干後退し、米長期金利が上昇しました。前日に時価総額世界首位となっていたエヌビディアが反落し、テクノロジー株など金利敏感セクターが軟調となった一方、割安株に資金が向かい株価を下支えしました。為替市場では、ドルは一時158円95銭と2ヶ月ぶりの円安ドル高となりました。

相場の注目点

米国では、弱い経済指標を受けて市場の利下げ期待が高まっています。引き続き景気鈍化やインフレ鎮静化が確認できれば、長期金利の低下と株高を促す展開が予想されます。一方、FRBはインフレ抑制に向けて高金利を維持する意向を示しており、市場の期待とFRBの意向が乖離した状態がしばらく続き、両者の綱引きになりそうです。為替市場では、1ドル=160円に接近する中で、為替介入が警戒されており、本邦当局の発言には注目です。神田財務官が24年3月に示した「2週間で4%」との円安進行の基準に照らせば、161円前後が介入発動ラインになる可能性があります。

本日のイベント

米国を含む主要国の6月PMI(購買担当者景気指数)速報値が発表されます。足元の主要国の景況感を確認する上で、重要です。日本では5月全国消費者物価指数が発表されます。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年6月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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