(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

11日の米国株式市場で主要3指数は揃って反発しました。朝方発表された米国の9月卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことが、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月に0.25%ポイントの利下げを実施するとの観測を支えました。また、同日発表の大手金融機関の決算が市場予想を上回る内容だったことを受け、金融株の上昇が相場をけん引しました。

14日は米国はコロンブスデーで債券市場が休場となるなか、NYダウは2営業日連続で史上最高値を更新し、初めて4万3,000ドル台に乗せました。S&P500も史上最高値を更新し、ナスダック総合は7月以来の高値で終えました。主要な経済指標の発表や決算発表がなく取引材料に乏しい中、企業決算や米経済に対するソフトランディング(軟着陸)、FRBに対する利下げ継続の期待が相場を下支えしました。また、注目された12日の中国財務相の会見では、追加景気刺激策について具体的な数字等は言及されず、10月末に開催予定の全人代に向けて、概ね期待が温存される格好となりました。

相場の注目点

米国では主力企業の決算発表が始まり、先週末の米国株市場では市場予想を上回る好決算を発表した金融株を中心に物色が進みました。今週以降も好決算銘柄への物色意欲が株価上昇を支えることが期待され、決算動向に注目が集まります。また、米国では今年11月と12月に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。市場ではFRBが11月のFOMCで0.25%ポイントの利下げを決定することがコンセンサスとなっていますが、9月雇用統計を受けて、一部では11月の利下げ見送りの可能性も意識される状況となっています。米10年国債利回りが再び4%台と、高止まりとなっていることは引き続き株式市場にとって重石になると考えられ、今週も引き続きFRB高官の利下げを巡る発言が注目されます。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2024年10月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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