(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
11日の米国株式市場では、NYダウが続落した一方、ナスダック総合は反発しました。ナスダック総合の終値は20,034.89と、12月6日の史上最高値を上回り、初めて2万ポイントを突破しました。17-18日開催のFOMCを前に注目を集めていた11月米CPI(消費者物価指数)が朝方発表され、CPIの上昇率が市場予想に概ね一致しました。FRBが12月会合で0.25%利下げするとの期待が高まり、相場を下支えしました。セクター別では、テクノロジー株が概ね堅調だった一方で、ディフェンシブ株や景気敏感株の一部が軟調でした。為替市場では、18-19日の12月会合で日銀が利上げを見送りするとの見方が強まる中、1ドル=152円台半ばまで円安が進みました。
相場の注目点
米国株の上昇と、日銀の利上げ見送りを見込んだ円安は、日本株の支援材料になるとみられます。1ドル=155円を突破するなどの円安が進まなければ日銀は利上げを急がないとの見方から、しばらくドル円は150-155円を中心に推移すると野村ではみています。また、本日は中国で中央経済工作会議が開催され、2025年の経済目標と、金融、財政、産業政策などの基本方針が示される見込みです。中国政府が金融・財政政策を拡大するとの期待が高まれば、輸出関連株を中心に日本株を下支えするとみています。他方、ユーロ圏では金融政策会合が予定されています。ECBは24年12月から25年6月までは会合毎に0.25%ポイントの計1.25%ポイント、同年9月に0.25%ポイントの追加利下げを実施すると野村では予想します。米国のトランプ次期政権による関税引き上げがユーロ圏経済に与えるマイナスの影響が懸念される中、緩やかなペースでの連続利下げが実施され、ユーロ安圧力が継続するとみています。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年12月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。