本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

KDDI (9433)
日立製作所 (6501)
武田薬品工業 (4502)
三井住友フィナンシャルグループ (8316)
日本たばこ産業 (2914)

KDDI、4-6月期営業利益2.9%増益 通信料金値下げを成長領域でカバー

 2021年4-6月期は、売上高は前年同期比+4.6%の増収となり、営業利益は前年同期比+2.9%の増益と共に市場予想を上回りました。モバイル料金の引き下げが逆風となりましたが、住宅ローンをはじめ決済・金融取扱高が順調に拡大した金融事業などライフデザイン領域や、法人向けITビジネスの成長領域が順調に拡大し、全体では増益を確保しました。

日立製作所、調整後営業利益は前年同期比2倍超 IT部門や自動車向け伸びる

(注)日立製作所は「営業利益」に代え、「調整後営業利益」を連結経営成績に関する指標として用いています。「調整後営業利益=売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費」により計算しています。そのため会社数値は、「営業利益」ではなく「調整後営業利益」、QUICKコンセンサスは「営業利益」を参照しています。

 4-6月の調整後営業利益は前年同期比で2倍超となりました。同営業利益ベースで、ITセグメントが前年同期比+14%、モビリティセグメントが同+14%と主力部門が堅調だったほか、自動車向けが前年同期の216億円の赤字から121億円の黒字となりました。一方で、2022年3月期の通期見通しは据え置きました。

武田薬品工業、営業利益実績は市場予想を上回る がん領域や米欧向けがけん引

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。希少疾患と血漿分画製剤(免疫疾患)における一部の製品に関しては減収となったものの、オンコロジー(がん等)の売上高は前年同期比+12.4%と好調でした。地域別売上収益では、米国や欧州、カナダ向けが増収をけん引しました(日本事業は糖尿病治療剤ポートフォリオの帝人ファーマへの譲渡で大幅増収となっています)。前年同期に神経性心疾患向けなどでみられた、新型コロナによる医療機関の受診回避によるマイナス影響は軽微でした。

三井住友FG、経常利益実績は市場予想を上回る 通期見通しは据え置き

 4-6月期の経常利益実績は市場予想を上回りました。通期業績での目標進捗率は、連結業務純益で24%、親会社株主純利益で34%となりました。外債売却益の減少を主因とした市場事業部門の減益をリテールやホールセール、グローバル事業部門で打ち返したことに加え、与信関係費も昨年度におけるコロナ影響の反動により大幅に減少し、増益を確保しました。

日本たばこ産業、海外事業がけん引し増益を確保 通期見通しを上方修正

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(注)調整後営業利益は、営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除外したものです。

 1-6月期の調整後営業利益は前年同期比で増益を確保しました。フィリピンやロシア、イギリスでは単価の上昇効果もあり、海外主要市場を中心に好調な販売が継続しました。好調な海外事業を背景に、通期利益見通しを上方修正しました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年7月30日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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