主な個別銘柄の株価動向(7/29の米国市場)

ヤム・ブランズ (YUM) 前日比+6.28%
 ファストフード・チェーンの大手で、ケンタッキー・フライドチキンやピザハット、タコベルのブランドを運営しています。米国時間29日の取引開始前に決算を発表し、売上高と一株当たり利益共に市場予想を上回ったことなどが好感されました。

クアルコム (QCOM) 前日比+6.00%
 米国の半導体大手で工場を持たないファブレス企業です。米国時間28日の取引終了後に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。5Gサービスの普及でスマホ向けや通信機器向けの需要が強まったことが追い風となりました。

フォード・モーター (F) 前日比+3.82%
 米国の大手自動車メーカーです。米国時間28日の取引終了後に決算を発表しました。半導体不足の改善により、下半期の生産の増加を見込んでおり、通期の利益見通しを約6割上方修正したことなどが好感されました。

マスターカード (MA) 前日比+1.4%
 クレジットカードの国際ブランドを運営しています。米国時間29日の取引開始前に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。世界的な消費の回復が同社の業績を押し上げました。

ペイパル・ホールディングス (PYPL) 前日比-6.22%
 米国の電子決済サービス企業です。米国時間28日の取引終了後に決算を発表しました。売上高が4-6月期の実績と7-9月期の見通し共に市場予想を下回ったことなどが嫌気されました。

フェイスブック (FB) 前日比-4.00%
 世界最大級のSNS企業です。米国時間28日の取引終了後に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。しかし、米アップルによるプライバシー規約変更がターゲティング広告に影響し、今年下半期は第2四半期の成長率と比較して、緩やかな減速を予想しているとしました。これらが重石となり、株価は軟調に推移しました。

アマゾン・ドットコム (AMZN) 前日比-0.83% / 時間外取引:29日終値比-6.71%(米国時間18:10時点)
 売上高で世界最大級のオンライン小売業者です。米国時間29日の取引終了後に決算を発表し、4-6月期の一株当たり利益は市場予想を上回りましたが、同期の売上高は市場予想を下回りました。また、7-9月期の売上高も伸び率の減速を見込んでいます。経済の正常化がネット通販事業の成長の重石となっていることが示唆されました。

本日のトピック:アマゾン・ドットコム、決算発表受け時間外取引で下落

決算実績は売上高が市場予想を下回る

 米国時間7月29日引け後にアマゾン・ドットコムが4-6月期決算を発表し、売上高は前年同期比+27.2%の1,131億ドルで、市場予想平均(1,154億ドル)を下回りました。一方、希薄化後一株当たり利益は同+46.8%の15.12ドルで、市場予想平均の12.28ドルを上回りました。

セグメント別ではAWSが健闘

 利益面で当社業績を支えるAWS(クラウドサービス)事業は、売上高が前年同期比+37.0%増収の148.1億ドル、営業利益は同+24.9%の41.9億ドルとなり、市場予想平均(142.1億ドル、41.8億ドル)を上回りました。

株価は時間外で大きく下落

 29日に当社の株価は前日比-0.83%の3,599.92ドルで引けた後、決算発表を受けて時間外取引では終値比-6.71%(米国時間18:10時点)となっています。決算実績の売上高が市場予想を下回ったことに加え、同時に発表された7-9月期の会社見通しも市場予想平均を下回ったことが背景にあると考えられます。

 なお、この7-9月期の会社見通しの売上高(中間値1,090億ドル)は、4-6月期実績の売上高(1,131億ドル)比で、減収見込みとなっています。この要因としては、Amazon Prime Dayと呼ぶ販促キャンペーンを今年は6月14・15日で開催したことが挙げられます。

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、電子商取引の利用が急増し、需要環境としては追い風ではあるものの、急拡大する注文とその配送のために、アマゾン・ドットコムをはじめ多くの電子商取引企業は対応に苦慮してきました。需要拡大に加え、配送センターや宅配体制の混乱収束の行方は引き続き注目されます。

 一方で、コロナ禍の中でその利便性を体験した消費者や企業の多くが、引き続き電子商取引のサービスの利用していることが窺えます。また、世の中全体におけるリモートワークの普及や、デジタルトランスフォーメーションの推進などを背景に、AWS事業は拡大が続いています。

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