主要アセット週間騰落ランキング 【2021年7月23日~7月29日】

 前週の世界株式市場は、中国政府によるテクノロジー企業への規制に対する懸念や、新型コロナの世界的な感染再拡大が相場の重石となりましたが、個別では決算発表を受けて強弱まちまちの相場展開となりました。FOMCでは政策変更や大きな方針転換はなく、相場への影響は限定的でした。

 業種別に見ると、グローバルでは、前週軟調だったエネルギー、素材、金融の上昇が目立った一方、通信サービスや情報技術は軟調でした。

 日本でも、鉄鋼・非鉄、エネルギー資源に加え、機械、電機・精密など、景気敏感セクターの上昇が目立ちました。 

 

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年7月29日(日本株の騰落率は7月21日との比較)。 (出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:前週に続き決算発表に注目

前週の振り返り

 新型コロナの感染再拡大や中国当局による規制強化などが懸念された一方、堅調な企業業績を背景に、日経平均株価は一進一退の動きとなりました。

今週の展望

 注目点は引き続き、決算発表となります。前週までの決算発表では、米中の需要回復から通期見通しの引き上げが相次いだ自動車関連企業や、好調な事業環境の継続がみられた半導体関連企業が市場から好感されました。また、コロナ禍で構造改革が進んでいる企業なども市場から評価を得ています。

 主要企業の決算では、4日にトヨタ自動車、ソニーグループ、5日に任天堂などが発表予定です。         

(今村 允)

米国:米企業の4-6月期決算発表が続く

前週の振り返り

 週初は続伸し、好決算も多くみられたものの、週半ば以降は上値が重い展開となりました。

今週の展望

 7月ISM製造業・非製造業景況指数、7月雇用統計等、重要な経済指標が発表されます。

 前週の大手情報技術企業の決算では、好業績への期待から先行して株価が上昇していたこともあり、決算発表後に利益確定売りに押される事例も散見されました。

 今週も米企業の決算発表が続きます。大手情報技術企業ほどには関心が高くなく、株価が出遅れているような銘柄については、決算発表で好業績が確認されれば、割安感が再認識されると予想されます。引き続き投資機会を探っていきたいと考えます。

(村山 誠)

新興国:ブラジル、インドの金融政策決定会合に注目

前週の振り返り

 米国の対中投資が制限されるとの懸念から中国主要株価指数が大幅に下落しました。デルタ変異株の感染拡大懸念からリスクオフとなり新興国の為替市場は総じて軟調な値動きとなりました。

今週の展望

 4日にブラジル、6日にインドの政策金利の発表が予定されています。前者は前回会合では3会合連続となる利上げ(各0.75%ポイント)を行いました。次回会合でも同程度の利上げを見込むと声明を出しています。後者は前回会合でインフレ懸念よりも新型コロナによる景気底割れを防ぐことを重視して金利据え置きとしました。野村證券では8月会合でも据え置きと予想しています。

(岩崎 晴弥)

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点