主な個別銘柄の株価動向(7/30の米国市場)

チャーター・コミュニケーションズ (CHTR) 前日比+4.23%
 全米大手のケーブルテレビ事業者です。米国時間30日の取引開始前に決算を発表し、一株当たり利益が市場予想を上回ったことなどが好感されました。

プロクター&ギャンブル (PG) 前日比+1.97%
 世界最大級の一般消費財メーカーです。米国時間30日の取引開始前に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。ヘルスケアやスキンケア用品などの販売が好調でした。決算を好感して株価は上昇となりました。

ピンタレスト (PINS) 前日比-18.23%
 写真共有サービスの「ピンタレスト」を運営しています。米国時間29日の取引終了後に決算を発表し、月間利用者数は市場予想を下回りました。成長鈍化への懸念から、株価は大幅安となりました。

アマゾン・ドットコム (AMZN) 前日比-7.56%
 売上高で世界最大級のオンライン小売業者です。米国時間29日の取引終了後に決算を発表し、4-6月期の売上高は市場予想を下回りました。また、7-9月期の売上高の伸び率はさらに減速するとしました。経済の正常化がネット通販事業の成長の重石となっていることが示唆され、株価は大幅に下落しました。

キャタピラー (CAT) 前日比-2.73%
 世界最大級の建設機械メーカーです。米国時間30日の取引開始前に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。しかし、会社が電話会議で、営業利益率が下期は第2四半期比でやや低下する見通しと述べたことなどが嫌気されました。

エクソン・モービル (XOM) 前日比-2.30%
 世界最大級の石油会社です。米国時間30日の取引開始前に決算を発表し、一株当たり利益は市場予想を上回りました。この日はエネルギーセクター全般が軟調だったこともあり、当社の株価も下落となりました。

本日のトピック:一株当たり利益の上方修正続く、4-6月期1-3月期を上回る

週初は続伸も、その後は上値が重い展開に

先週の米国株式市場は、週初は続伸となりましたが、その後は上値が重い展開となりました。これまでに発表された4-6月期決算は、市場予想平均を上回る好決算が多かったものの、株価は高値圏で推移していたこともあり、決算発表を機に利益確定売りも相応に出た模様です。

7月FOMC(米連邦公開市場委員会)は大方の予想通り政策変更はなく、インフレ指標として注目されたPCEデフレーターも引き続き高水準ながら前月比で鈍化したことから、株式市場の反応は限定的でした。

PCEデフレーター(前月比)の推移

(注) 直近値は2021年6月。

(出所) BEA(米経済分析局)より野村證券投資情報部作成

週を通せば、S&P 500 指数は前週末比-0.37%の4,395、ダウ指数は同-0.36%の34,935ドル、ナスダック総合指数は同-1.11%の14,672となりました。

今週発表の主な経済指標等

今週、発表が予定される主要経済指標としては、7月のISM製造業景況指数(2日)やISM非製造業景況指数(4日)、雇用統計雇用統計(6日)などがあります。また、3日頃に7月の自動車販売台数が、調査会社等から発表されます。

今週の決算発表予定

今週も、米企業の2021年4-6月期決算発表が続きます。米国時間で、ホテル大手のマリオット・インターナショナルや中国ハイテク企業で米国上場のアリババ・グループ(3日)、オンライン旅行代理店のブッキングホールディングスや配車大手のウーバー・テクノロジーズ(4日)、決済大手のスクエア(5日)などが予定されます。

S&P 500 企業の業績予想~4-6月期予想が1-3月期を上回る水準まで上方修正

7月30日時点の集計では、S&P 500 指数構成企業の四半期一株当たり利益は1週前の集計と比べ各四半期とも上方修正され、4-6月期が1-3月期を上回る水準まで上昇しています。

S&P 500 企業の四半期EPS(一株当たり利益)の推移

<730日時点>

<723日時点>

引き続き決算内容と成長ストーリーを見極めたい

先週、決算発表をした大手IT企業については、好業績期待から先行して株価が上昇していたこともあり、決算発表後に利益確定売りに押される事例が散見されました。

業績予想上方修正は株価の支援材料となる一方で、今週の決算発表についても先週同様に利益確定の売りが出る可能性や、雇用統計など重要な経済指標の発表を控え様子見姿勢が強まる可能性には留意し、イベントや決算を確認したいと考えます。

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