本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

三菱UFJフィナンシャルグループ (8306)
塩野義製薬 (4507)
AGC (5201)
JSR (4185)
西武ホールディングス (9024)

三菱UFJ、市場予想を上回る大幅増益 純利益の目標進捗率は45%を超える

 2021年4-6月期の経常利益は市場予想を大きく上回りました。同期の親会社株主純利益は3,830億円となり、21年度業績目標(8,500億円)の進捗率は45.1%となりました。業務粗利益は、海外や国内大企業向け貸出の利ざや改善などで資金利益が増収となる一方、前年の国債等債券関係損益が剥落したことで、減収となりました。しかし、ポートフォリオの改善などに伴う引当金の戻りなどにより、与信関係費用が大幅に縮小したことや、モルガン・スタンレーの増益により、持分法による投資損益が増加したことが貢献しました。

塩野義製薬、営業減益となり市場予想も下回る 販管費や研究開発費が増加

 4-6月の営業利益実績は、市場予想を下回りました。セフィデロコル(多剤耐性グラム陰性菌に効果を示す製品)の販売活動費用の増加や、新型コロナ治療薬、ワクチンなどへの研究開発費が増加した結果、営業利益は前年同期比で減少となりました。通期の見通しに関しては、従来予想を据え置きました。

AGC、4-6月期営業利益は市場予想を上回る 東南アジアで塩ビ販売価格上昇

 4-6月期営業利益は市場予想を上回りました。ガラス部門は欧州等での販売増、化学品部門は塩ビの東南アジアでの販売価格上昇を背景に前年同期から大きく反発しました。半導体材料含む電子部品部門も、製造原価の上昇は重荷となったものの堅調な内容でした。塩ビ事業の好調や、北米建築用ガラス事業譲渡を背景に、2021年12月期の会社見通しを引き上げました。

JSR、4-6月期は大幅増益を確保 半導体材料の販売などが好調

(注)調整後営業利益は会社発表の「コア営業利益」で、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しています。

 4-6月期の調整後営業利益は前年同期比+56.5%となりました。好調な半導体市場を背景に、主力のデジタルソリューション事業(半導体材料、ディスプレイ材料など)の販売が拡大しました。また、合成樹脂事業(自動車やOA機器用途のABS樹脂など)も昨年度低迷していた自動車生産の回復を背景に、販売数量を伸ばしました。通期の見通しに関しては従来予想を据え置きました。

西武HD、赤字幅縮小で市場予想を上回る 休業施設数の減少などが貢献

 4-6月の営業利益は、休業施設数の減少などが貢献し、前年同期から営業赤字幅を縮小させました。主力の都市交通・沿線事業においては、需要に合わせた車両運用の見直しを進めるとともに、「西武園ゆうえんち」をグランドオープンなどにより増収となりました。ホテルレジャー事業もコロナ禍で落ち込む観光需要の回復に向けて、2021年4月27日に軽井沢プリンスホテルウエストをリニューアルオープンするなどの取り組みで増収となりました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年8月2日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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